ロッテは今や“パ・リーグの巨人” 井口監督“大型補強と遺物整理”で長期政権へ
ロッテ・井口資仁監督（45）が長期政権への足場をガッチリ固めたともっぱらの評判である。
今オフ、ロッテはストーブリーグの主役を演じた。惜しみなく大金を投入して大型補強に成功した。いまや、「パ・リーグの巨人」と言われているが、これにはワケがあった。
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「今季はあと一歩というところでAクラスに届かなかった。フロント、井口監督ともにかなり悔しい思いをしました。来年は井口監督にとって3年契約の最終年になる。最低でもAクラス入りして優勝争い、できればスッキリと優勝したい。来オフ、新たに複数年契約を結び、さらにその先をにらんでいるからです。将来的にはGM職を用意しているとささやかれています。そのためにも箔（はく）を付けたい」（フロント関係者）
フロントの井口監督に対する評価は高い。昨季の5位から今季は4位と着実に階段を上がった。実績もある。メジャーでも活躍し、歴代監督と比べても知名度は抜群だ。以前は球団内外から「千葉出身やOBの監督を据えるべきだ」という声があったのは事実だが、現在は「千葉出身にこだわることは考えていない」（フロント首脳筋）とスタンスが大きく変わった。OBにしてもここ数年、監督候補に名前が挙がることはなかった。
井口監督の評価を強力に後押ししたのはその勝負強さだ。昨年のドラフトでは「甲子園のスター」藤原恭大外野手を3球団競合、今ドラフトでは4球団競合の末に「未来のメジャー候補」佐々木朗希投手の交渉権を見事引き当てた。
「球団首脳は『これからも有望選手をどんどん引いてスター軍団を作ってほしい』と冗談めかして話していますが本音でしょう。言葉を換えれば、今後のチーム作りを託したということです。球団内では元々井口体制に関して『中長期的な体制になる』との声が強かったが、球団首脳の言葉はそれを裏付けています」（テレビ局関係者）
佐々木朗の育成に関しても「（メジャー指向の）佐々木を育てるにはメジャーでプレーした井口監督に任せればいい」と語っている球団関係者もいる。
その佐々木朗希を引き当てたことで、井口監督の球団内における発言力が高まったのも事実で、これにフロントがバックアップして大補強となった。
「昨オフ、広島からFA宣言した丸佳浩の獲得に動きましたが、早い段階から丸に直接連絡を取れるような親しいフロントがいなかった。久々にやる気を見せたが泥縄もいいところで惨敗した」（フロント関係者）
今オフは雪辱戦となった。楽天からFA宣言した美馬学投手と井口監督は同じマネジメント会社所属だ。また、ソフトバンクからFA宣言した福田秀平外野手は井口監督の片腕・鳥越裕介ヘッドを兄のように慕っている。
フロントの協力の下で井口－鳥越ラインが動いた結果、周知の通り複数球団との激しい争奪戦を制して初の「両取り」となった。
もちろん縁故だけではない。金銭面でも美馬には3年総額5億円、福田には4年総額6億円と好条件を提示した。
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