エンターテイナーに165試合連続無敗の投手…日ハム“躍進のカギ”を握る個性派4人衆

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 栗山英樹監督の奇策や新戦法が注目を集めた2019年のハムだが、その指揮下でプレーする選手たちも個性派揃い。その中から、2020年の躍進のカギを握る4人を紹介する。

 個性派のトップバッターは、持ち前のひょうきんなキャラクターでファンに笑いを提供する“グラウンドのエンターテイナー”杉谷拳士だ。5月23日の楽天戦(札幌ドーム)で、球団では2007年のセギノール以来となる2打席連続の左右両打席アーチを放ったにもかかわらず、栗山監督に「見ていなかった」といじりを入れられ、ナイン全員にメジャー流のサイレント・トリートメントの“洗礼”を受けた。だが、試合後のお立ち台では「あれはサイレント・サイレントでただの無視ですよね。セギノール以来ということで、これから“スギノール”として頑張っていきたいです!」とコメントし、スタンドのファンを笑わせた。

 7月21日のロッテ戦(同)では、6点をリードされた6回裏2死に代打で登場したが、唐川侑己の初球がワンバウンドして右足スパイク裏に当たる珍死球。これにはスタンドのみならず、ベンチのチームメートたちも大爆笑だった。パ・リーグTVが「デッドボールで人を笑顔にする男」のタイトルで動画を公開したところ、1日で再生回数が5万回を突破した。国内FA権を行使せず残留となった2020年は「シーズンを通して波がないように。3月20日の開幕へ向けて、逆算してトレーニングしていきたい」と12年目のレギュラー定着に意欲を燃やす。

 2017年のドラフト1位・清宮幸太郎が改めて“持っている男”であることを示したのが、9月8日のオリックス戦(札幌ドーム)だった。

 0対0の2回表2死一塁の守備で、西浦颯大がマウンド付近に打ち上げた飛球を捕ろうと一塁からダッシュしたが、直後、投手板付近に足をつまずかせて、仰向けに転倒してしまう。すでに捕球体勢に入っていたサード・浅間大基が難なくキャッチし、スリーアウトチェンジになったが、起き上がった清宮は、恥ずかしそうにファーストミットで口元を隠しながら、うつむいてベンチへと引き揚げた。

 ベンチではナインが大爆笑で迎え、栗山監督も手で顔を隠しながら、笑いをこらえている様子。「そんな盛り上げ方をするつもりはなかった」と不本意なプレーに赤面した清宮だったが、転んでもただでは起きなかった。1対0の8回無死、増井浩俊の初球、148キロ直球をとらえ、右越えに自己最多タイの7号ソロ。勝利につながる貴重な1点をもたらした。

 珍プレーのあとに名誉挽回の一発を放ったのは、まさに大物の証明だが、2年目も前年と同じ7本塁打に終わった。2020年は本塁打を2桁の大台に乗せ、“10年に一人の逸材”の本領発揮といきたい。

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