朝日「慰安婦誤報」で韓国から賞金100万円…植村隆記者は「光栄です」

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光栄に思っています

 植村氏はそのスピーチのなかで、

「安倍政権下で河野談話が無力化し、日本の侵略戦争による被害の記憶継承作業に対する攻撃が相次いでいます。こんな危険な風潮を変えていかなければならないと思います」

 といった熱い思いも披瀝したのだが、元週刊朝日編集長の川村二郎氏は、

「植村くんの記事については朝日新聞も誤りを認め、謝罪したうえで訂正しています。朝日の慰安婦報道に関する騒動の火付け役になったようなものですから、吉田証言による“慰安婦狩り”記事のように取り消しまではされていないとはいえ16件の取り消し記事と同じ穴のムジナ。賞を受けるなんて恥ずべきことです」

 と憤り、

「韓国側にとって都合のいい記事だったから受賞したのでしょうが、記者は本来、イデオロギーに縛られることなく中立の立場で事実を報じるべきです。あれで賞をもらうなんてジャーナリストの風上にも置けません。93万円の賞金まで受け取るなどもってのほかです。まともなジャーナリストであれば賞も賞金も辞退すると思います」

 元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏は、

「私個人としては、植村さんの記事は朝日新聞が世間の信用を失うきっかけだったのではないかと考えています。朝日OBのなかにすら功名心に逸(はや)って取材を疎かにしてしまった植村さんや記事にかかわった人たちのことをよく思っていない人は一定数いるでしょう」

 こうした意見を、当の植村氏はどう受け止めるか。

「私の記事が取り消された事実はなく、元慰安婦の被害の真実を明らかにしたこととその後の闘いが韓国でも認められたことを光栄に思っています」

 と、おっしゃるのである。堂々たる無反省ぶりには、もはや怒りを通り越して呆れるほかない。

週刊新潮 2019年12月19日号掲載

ワイド特集「バベルの塔」より

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