「やたらと質問が長い記者はバカだ」 ビートたけしの大正論

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 今年も様々な記者会見が話題になったが、定期的に開かれているもので、多くの耳目を集めたのは菅官房長官と東京新聞記者との応酬だろう。強面の官房長官に対して怯まない姿勢に賛辞を送る人もいたが、一方で「質問が長すぎる」といった批判の声も見られた。

 この記者はともかくとして、たしかに質問がダラダラしていてよくわからないケースは珍しくない。

 ビートたけしも、その手の記者の「被害」に数多くあったという。ベストセラーとなった新著『バカ論』の中では「こんなインタビュアーはイヤだ!」という項を設け、過去に出くわした酷いインタビュアーを紹介している。特に若い頃は酷い目に遭うことが多かったようだ(以下、同書より抜粋・引用)

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 こんなインタビュアーはイヤだ!

(1)やたら質問が長い
「今回の映画ですが、たけしさんとしてはどういう意図でお撮りになったのか知りたいのですが、その前に前作の評判について、あるいはその後、本作を撮影するに至るまでのプロセスについて教えてほしいのですが、やっぱりまずは本作の見どころについて教えて下さい」
 もう何を答えればいいのかわからない。

(2)インタビュー相手の名前や作品名を最後まで間違える
 これはもう論外。さすがにおいらの名前を間違える奴はあまりいなかったけど、映画のタイトルを間違える奴はしょっちゅういた。特においらの映画2作目「3-4X10月」は、「さんたいよんえっくすじゅうがつ」と読むんだけど、みんな「3引く4は……」なんて言っちゃって大変だった。

(3)取材の途中で自分の話を始める
「新作を試写で見たのですが、とても感動しました。今回の映画は、往年のジャン=リュック・ゴダールというか、ヌーベルバーグの映画を彷彿とさせるものでした。私が初めてゴダールの映画を観たのは1960年のこと。その時に一緒に観たのは当時付き合っていた彼女で……」って、とちゅうから自分の思い出話を始める奴。

(4)「たけしさんは、これこれこう考えたんじゃないですか」と答えを勝手に言う
 そういう奴に限って、相づちがタメ口。「やっぱり、そうだったんだあ」なんて。お前はあやしい占い師か。

(5)やたらと携帯が鳴る
 質問に答えようと思った瞬間、「あ、ちょっと待ってください。……もしもし……」。で、戻ってきて、「すいません、もう一度初めからお願いします」って、携帯の電源ぐらい切ってくれ。

(6)ファンを連れてくる
 女の子を3人ぐらい連れてきて、
「ほらほら、こっちこっち。見ろ、たけしだよ」
「本当だあ」
「お前たちは、後ろで見てな。さあ、始めましょう」

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 他にも「一度も目を合わせない」「口の周りに米粒がついている」「やたら痰がからむ」「ずっとカツラを気にしている」等々、さすがに過去膨大な取材を受けてきただけあって、たけしの攻撃は止まらない。往々にして取材者は自らを透明な存在のように思いがちだが、実は取材相手や視聴者に観察されていることを忘れてはならないようだ。

デイリー新潮編集部

2017年12月25日掲載

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