欧米でお片付け「こんまり商法」に逆風…公式ショップの商品が高すぎで“ときめかない”

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 師走の大掃除シーズン、「こんまり」こと近藤麻理恵氏が提唱するお片付け術を実践してみよう、なんてムキもあるかもしれない。“ときめくか否か”でモノを捨てるメソッドで売る彼女が、いまや世界的な有名人なのはご存じのとおり。ところが、その商法には“ときめかない”との声も聞こえてきて……。

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 著書『人生がときめく片づけの魔法』は世界1100万部のベストセラーになり、4年前には『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出された。今年1月にはNetflixで彼女の仕事に迫るドキュメンタリー「Tidying Up with Marie Kondo」がシリーズ配信され、再ブームの様相を呈した(日本版タイトルは『KonMari~人生がときめく片づけの魔法~』)。

 欧米を中心に世界中で吹いたこんまり旋風――。拠点を米国に置く近藤氏は、片付けコンサルタントの育成事業というビジネスも行っており、11月17日には公式オンラインショップ「The Shop at KonMari」をオープンさせた。

 このショップが取り扱うのは、アロマセラピーグッズやキッチン用品、ボディブラシなどのお風呂アイテムといった生活雑貨。自身が「ウォールストリート・ジャーナル」に語ったところによれば、〈すべての製品を使っているわけではありませんが、こんまりの世界観に基づく〉モノたちで、その半分は日本製だという。“モノ減らし術”で売ってきた近藤氏が、モノを増やす買い物を推奨する商売を行う矛盾については〈過剰購入を勧めるわけではない〉〈あなたが今使っているボウルに喜びを見出すのならば、交換する必要はまったく勧めません〉と答えている。

しかし……。

「“思い出のあるものを捨てさせて、空いたスペースに彼女の商品を置かせるビジネス!?”といった完全にジョークとも言えない見出しやタイトルの記事が、メディアで散見されますね。たとえばエンタメ系ニュースサイトの『TooFab』(11月18日付)では、〈片付けの達人は、彼女の180ドル(※約1万9500円)のチーズナイフにときめくことを望んでいます〉と、値段の高さを皮肉っぽく書いています」

 と解説するのは、北米在住ライターの関陽子氏だ。

「“こんな値段で買ったなら嫌でもときめかないと”“届いた商品にときめなかったらどうすれば?(こんまりが売っている、これまた高い)片付けボックスに入れる”といった意見もありますね。たしかにお値段は安くありません。メイドインジャパンの木製の茶筒が、200ドルですから。消費税や送料をいれれば、250ドル(2万5000円)になります」

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