巨人「陽岱鋼」が年俸3億円で契約更改にファンから異論噴出 中島裕之にも厳しい視線

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 巨人の陽岱鋼外野手(32)は11月26日に球団と契約更改を行ったが、これが巨人ファンのブーイングを浴びている。同日のサンケイスポーツ(電子版)「巨人・陽岱鋼、現状維持の3億円で更改『悔しいシーズン』」から契約内容を引用させていただく。

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《東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、5年契約4年目となる来季へ現状維持の年俸3億円でサインした(金額は推定)。

「優勝については素直にうれしい。レギュラーでやっていかないといけないと思った。悔しいシーズンだった」

 今季は巨人移籍後では最多の110試合に出場したが、先発起用の減少に伴い移籍後最少の231打席に止まり、打率・274、4本塁打、21打点。盗塁は15試合の出場だった2009年以来の「0」だった。》(註:デイリー新潮の表記法に合わせた、以下同)

 一方、今季503打席、打率・284、13本塁打、55打点、盗塁9の記録を残した亀井義行(37)の契約更改はどうだったのだろうか。

 念のため陽と記録を比較してみよう。亀井の打席数は2・1倍、打率は1・03倍、本塁打は3・25倍、打点は2・61倍、盗塁は0に対して9————打者としての成績は全ての面で亀井が陽を上回った。

 この成績を踏まえ、NHK NEWS WEBに掲載された「巨人 亀井が契約更改 推定4000万円アップで年俸初の1億円突破」をご覧いただこう。

《プロ野球・巨人のベテラン、37歳の亀井善行選手が推定で4000万円アップの年俸1億1000万円で来シーズンの契約を更改しプロ15年目で初めて1億円の大台を突破しました》

 個人成績は全て上回った亀井だが、なぜか年俸だけは、陽の3分の1と逆転されてしまうのだ。これにはネット上でも異論が相次いだ。ツイッターから引用させていただく。

《陽岱鋼が3億なら、亀井さんは10億やで》

《高木京介3000万 メルセデス1100万 陽岱鋼3億 亀井1億1000万》

《陽岱鋼が「僕は3億に相応しくありません。僕の3億は亀井さんに全てあげてください、僕は5000万くらいで十分です」こんなこと言ったら陽岱鋼の一生ファンやってやるわ》

《陽岱鋼が3億は流石に草 外野は丸も亀井もいて居場所なくて代打要員でも代走要員でも微妙なのにただベンチにいるだけで3億もらえるんか》

野球解説者も「3億は高すぎる」

 タイムラインにずらりと並ぶ批判ツイートのアカウントを見てみると、巨人ファンも少なくない。“身内”からも異論が殺到しているわけだ。プロ野球担当記者が解説する。

「陽選手が最も輝いていたのは、北海道日本ハムファイターズ時代の2013年だったと思います。全試合にスタメン出場して658打席。打率・282、18本塁打、67打点、そして47盗塁はセパ両リーグでトップでした。ところが15年に左手を剥離骨折。約1か月、戦線を離脱します。翌16年、日ハムは広島を下して日本一に輝き、陽選手も記憶に残るビッグプレーなどで優勝に貢献、ファンを喜ばせました。しかし今となっては、この16年こそがターニングポイントだったのかもしれません」

 陽が16年に残した個人成績は555打席、打率・293、本塁打14本に打点61だった。しかし打順に注目すると、また別の“評価”が浮かび上がるという。

「開幕は1番スタート。7月には3番を任され、この時点まではチームの主軸でした。ところが8月に守備でフェンスに激突、右肋骨を骨折します。痛みに耐えて出場を続けますが、打順は7番、9番、6番と下位打線の起用が増えました。ネット上で『日ハムは見事なタイミングで陽を巨人に売り払った』という指摘が散見されるのは、少なくとも今のところ、この16年でさえ、巨人の在籍時よりは好成績だったからです」

 この16年に陽は国内FA権を獲得。当初は「日本ハム・陽岱鋼、幹部と話し合い残留を希望『残りたいのが一番』」(サンスポ:16年10月31日)と報じられていたが、年俸や若手主体のチーム構想などを巡って折り合いがつかなかったとされる。残留交渉は決裂し、11月7日に行使を表明。オリックス、楽天、巨人が獲得に名乗りをあげた。

 そして12月に「巨人がFA宣言の陽岱鋼との契約合意 5年総額15億円超 背番号は『2』」(スポーツ報知:16年12月15日)という記事が掲載された。念のために言い添えておけば、5年で15億円だから1年で3億円。現状維持なので、今年も3億円の推定年俸が報道されたわけだ。

 実は今季の陽は代打打率・394を記録している。右打ちの陽と左打ちの阿部慎之助(40)が代打の切り札として起用されたのは間違いない。とはいえ3億円は高すぎる気もする。ではプロの野球評論家は、今季の陽と年俸をどのように評価するのだろうか。

 1995年から99年まで巨人に在籍した広澤克実氏(57)に取材を依頼した。落合博満(65)、ジャック・ハウエル(58)、松井秀喜(45)と、「4番だらけの巨人」で苦労したことで知られる。それでも95年に本塁打20本、97年に本塁打22本を記録している。

「普段は憧れの目で見られることの多いプロ野球選手でも、契約更改の時期は世論の厳しさを肌で感じます。陽くんの今季を冷静に振り返っても、やはり『3億は高すぎる』と言わざるを得ません。ファンの皆さんが怒るのも当然でしょう。ただ年俸に関しては陽くんだけの問題ではなく、契約を結んだ球団の責任も大きいことは言うまでもありません」

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