五輪の夢破れた「朝比奈沙羅」の並外れた英語力、獨協医大合格で来春から医師を目指す

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「文武両道」のユニークな柔道家、朝比奈沙羅(23 パーク24)の東京五輪代表の夢が消えてしまった。朝比奈沙羅は大阪市中央体育館(港区)で開かれていたグランドスラム大阪最終日の11月24日、女子最重量の78キロ超級で銅メダルとなった。しかし、ライバルの素根輝(19・環太平洋大学)が8月の世界選手権(東京)に続いてこのクラスで優勝したことで、この日開かれた全日本柔道連盟の強化委員会が「両大会の優勝者は代表にする」という内規に基づき、満場一致で素根を五輪代表内定の第一号に決めたためだ。

 五輪代表へ背水の陣だった朝比奈はこの日、準々決勝でブラジルの選手に豪快に投げられて一本負けし天を仰いだ。気を取り直した敗者復活戦では、オランダの選手を得意の巻き込み気味の払い腰から袈裟固めで押さえて一本勝ちして3位決定戦に臨んだ。冨田若春(コマツ)との決定戦は拮抗したが相手の反則で勝利となった。

 ライバルの素根も順当に勝ち上がって決勝へ進んだため、この時点では、素根が「ずっこけて」くれればチャンスが残るという「他力本願」でしかなかった。

 素根は決勝でロンドン五輪の王者だったキューバのI・オルティスと対戦。自分よりはるかに大きな相手の組み手に苦しんだが、ゴールデンスコア(サッカーで言うサドンデス)の延長1分53秒、鍛えた腕力でオルティスを引き付けるや、左足を飛ばす大内刈りで見事に「技あり」を取って優勝した。

 2004年のアテネ五輪で優勝した塚田真希以来、途絶えている五輪の女子最重量級金メダルを目指すことになった素根。会見で年長のライバルのことを問われ「朝比奈さんがいたから強くなれた」と話した。

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