ランチパックをBBCが“ファンタスティック”と紹介「山崎製パン」に1億円ワイロ騒動

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 ラグビー日本代表、通称「ブレイブ・ブロッサムズ」は、文字通り日本に大いなる勇気を与えてくれただけでなく、大金をもたらしてくれた。その経済効果は4300億円とも言われるなか、思わぬ恩恵にあずかった企業がある。山崎製パン。W杯を機に、世界に名を広めた同社だが、社内には対外的に広めたくない「恥部」があるようで……。

 山崎製パンは売上高1兆円を誇る、東証1部上場の大会社だ。同社の主力商品である「ランチパック」を知らぬ者はおるまい。たまご、ツナマヨネーズ……。多様な品揃えで、まさに日本人の昼食を支えてきた。

 そのランチパックはW杯に関連し、「ファンタスティックな味わい」と英国の公共放送「BBC」で紹介され、世界に名を轟かせることになった。だがそんな「世界的企業」が、陰では全くファンタスティックではない疑惑を抱えていた。

「うちは2016年に破産してしまいましたが、実はそれまで山崎製パンとは『ずぶずぶの関係』でしてね」

 こう明かすのは、システム開発会社「SFC」(神奈川県)の元役員だ。

「SFCは社員約120人の中小企業で、山崎製パンからシステム関連の仕事をもらうために幹部を接待漬けにするなど、かなりの無理をしていたんです」

 その接待の内容を簡単に紹介すると、

「山崎製パン側の幹部が、うちの元社長らから東京・向島の高級料亭で接待を受けたり、タクシーチケットをもらうなどしていました」(同)

 しかも、両社の「爛(ただ)れた関係」は接待だけに留まらなかったという。

「うちの社内調査では、元社長が後に山崎製パンの役員に上り詰める男に賄賂を渡していたことまで判明したんです。09年から11年頃にかけて、八重洲にある富士屋ホテルで計5回にわたり、元社長がナイロン製のバッグに入れて総額約1億円を直接手渡していたという調査結果でした」(同)

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