「水着グラビアは有名になるための踏み台」元グラドルが明かす業界の裏側

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嫌なことも「お姫様扱い」で帳消し

 実は私も5〜6年ほど前、知り合いの編集プロダクションの社長から「週刊誌で素人グラビア特集やるんだけど、全然出てくれる子見つからなくて……桂ちゃん出てくれない? 他にも何人か載せたいから誰か紹介してもらえるとうれしい」と言われ、まだ駆け出しライターだった私は、あわよくばその週刊誌を発行している大手出版社の人脈ができるかもと淡い期待を抱きつつ、他に出てくれる子を探し、自分も撮影に応じた(今思うとこれも、性をきっかけに仕事の幅を広げようとしている行為だ)。

 事前の打ち合わせはかなりきちんとしたもので、編集さんとスタイリストさん、編集長まで同席し、NG項目の確認と、どう撮られたいかの打ち合わせがあった。私は乳首とヘア、お尻全体をNGにし、いやらしくなく格好良く撮ってほしいと希望。結果、黒いブラジャーに黒Tバックとガーターベルトに黒いブーツ、黒いハットという、少しSMの女王感漂う姿に仕上がった。プロのメイクさんに綺麗にメイクしてもらうことも気持ちが良かった。

 しかし、ブラジャーを身に着けた貧乳でちんちくりんな私を見たスタイリストさんは「あっ、胸を作ろう」そう言い放ってヌーブラ着用を指示、ガムテープで背中や脇腹の肉を寄せに寄せて、あれよあれよと言う間に偽の谷間ができた。のちに、ヌーブラやガムテープは画像加工で消されている。

 カメラマンさんは男性だったが、ポーズの指定の際も決して私に触れようとせず、実際にカメラマンさんがポーズをしてみせてくれたものを私がマネした。そのとき、グラビアってこんなに真面目に撮影されるものなのか〜と妙に感心したものだった。話が脱線したが、そのくらい、紙媒体のグラビア撮影の現場はある意味健全なのだ。

 また、北山さんはイメージDVD出演で驚いたことの一つに「お姫様扱い」があったという。映画や舞台の現場ではそのような扱いはなかったとのこと。

「打ち上げで私が箸をつけるまで誰も料理を食べようとしないんです。それまで私は会社員経験があったので、むしろお偉いさん方に気を使う方でした。だから『監督お疲れ様です〜』と日本酒を注ぎに行こうとしたら『亜美ちゃんは座ってて、何もしないで!』と言われてしまいました。

 でも、社会人経験をしないままこの業界に入ったら、このお姫様扱いに慣れきって勘違いしちゃう子もいると思います。よくグラドルさんとかメイク中の自撮りを『メイクなう』ってSNSに上げたりしますよね。あれも、自分のためにメイクさんがメイクしてくれることにテンションが上がるからなんですよね。だから、撮影で多少嫌なことがあってもこのお姫様扱いで帳消しにされちゃう」

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