ラグビー日本代表の韓国人選手・具智元の活躍が母国で報じられないワケ

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好意的な記事はタブー

 その理由のひとつは、韓国でのラグビー人気のなさ。目下、世界ランクは31位(日本は8位)=9月29日現在=で、9回を数えるW杯には一度も出場できず、また日本にも02年以降、勝利したことがない。

「ラグビーは紳士のスポーツで、礼儀正しく、お互いを尊重し合いながらプレーし、ルールは厳格です。韓国人のサッカーは“テコンドー・サッカー”と呼ばれるほどにラフプレーが多い。そんな国民性ですからラグビーとは水と油なのです」

 とは、『悪韓論』著者で評論家の室谷克実氏。

「冷え込み続ける日韓関係の中で、日本に好意的な記事はタブーになっている。具選手が活躍したと報じるなら、日本の勝利について触れないわけにはいかない。となると『親日』と批判が来る。だから、“英国軍チームが靖国神社に行った”“サムスンの副会長がラグビーの試合を観戦した”とか、日本代表の活躍とは関係ない話を書くしかない。早々に負けていたら“日本は主催国なのに弱い”と批判していたと思います」

 選んだスポーツが悪かったのか、タイミングか、あまりに見事な金星を挙げたからか、あるいはその全部か。サッカーの李の場合と違って、英雄になり損ねた感のある具。果たした偉業の割に母国では立場がないようなのだ。

週刊新潮 2019年10月10日号掲載

ワイド特集「天下の秋の大番狂わせ」より

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