麒麟「川島明」、2本の新番組でMCに お笑い界有数のマルチプレーヤー

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 年々レベルが上がっているお笑い界はどこを見回しても実力者揃いだが、バラエティ番組のMC枠は限られている。MCになるだけの実力を持っている芸人であっても、時流と運に恵まれなければチャンスはなかなかめぐってこない。

 そんな中で、芸人MCとして今じわじわと頭角を現しているのが、麒麟の川島明(40)だ。スタッフの間でも川島に対する高い評価の声をよく耳にする。この10月には川島がMCを務める『ウワサのお客さま』『BACK TO SCHOOL!』(共にフジテレビ系)という2本の番組が始まる。しかも、『ウワサのお客さま』はゴールデンタイムの番組だ。川島が全国ネットのゴールデンでレギュラー番組のMCを務めるのは初めてのことだ。ここで結果を残せば、一気にMCの仕事が激増する可能性もある。

 タレントとしての川島の特徴を一言で言うと、「運動以外すべてが得意なマルチプレーヤー」ということになる。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「運動神経悪い芸人」に出ているほどの運動音痴ではあるが、それ以外のタレントとしてのスキルは満遍なく高い。

 ネタを作る能力が高く、大喜利も得意としている。麒麟というコンビとしては、2001年に行われた第1回の『M-1グランプリ』で無名ながら決勝に進み、審査員の松本人志(56)に絶賛された。その後は『M-1』の常連となり、たびたび決勝に進む活躍を見せた。

 漫才師の中には演技が苦手な人も多いのだが、川島は演技も上手い。現在放送中のNHKの連続テレビ小説『なつぞら』でも、実在の伝説的なアニメーターをモデルにしていると思われる重要な役どころを演じている。低音の美声を生かしてナレーターや声優としても活躍している。歌が上手くて絵を描くのも上手い。

 バラエティ番組では、MCやそれに準ずる役目のサブMCや裏回し(MCの番組進行をサポートする人)のポジションで与えられた役割をきっちりこなす。非の打ち所のないお笑い界有数のマルチプレーヤーなのだ。

 川島は『アメトーーク!』の「(仮)バラシ芸人」という企画に出演していたことがある。「(仮)バラシ」とは、未確定の状態で仕事のスケジュールを押さえられていたタレントが、その仕事をキャンセルされてしまうことだ。つまり、「(仮)バラシ芸人」とは、より格上のタレントを押さえる前の保険としてスタッフに都合よく使われている芸人のことだ。川島も品川祐([47]品川庄司)や藤本敏史([48]FUJIWARA)らと共にこの企画に出演していて、そんな自分の立場について自虐的にネタにしていた。

 だが、「(仮)バラシ芸人」として継続的に声がかかるのは、それだけ確かな能力を認められている証でもある。悪く言えば補欠要員なのかもしれないが、補欠として使い勝手のいい有能なプレーヤーであるのは間違いない。

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