サニブラウン圧勝 「周りの人はまったく気にしていませんので」桐生、小池も眼中にナシ

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

群雄割拠の時代は終わり

 この点、100メートルの元日本記録保持者の不破弘樹氏も、

「僕は100メートルの準決勝の時点で“サニブラウン選手が100メートルと200メートルの2冠だろう”と思いました」

 と首肯する。事実、そうなったわけだが、

「決勝で中央の良いレーンで走りたいから、準決勝では皆かなり力を入れます。準決勝の桐生選手は10秒22で、サニブラウン選手は10秒05と、周りより抜きんでています。こうした高いレベルでの安定性が、私に2冠を確信させた理由ですね。将来的には、9秒7台も行けるんじゃないかと思わせてくれました」

 別の記者はもっと踏み込んで、

「群雄割拠というか、実力者がしのぎを削るという時期が終わりを迎えた気がします。実際、そういう話をみんなでしているんです。勝負を楽しめる日本選手権はこれが最後で、“来年以降はサニブラウンの圧勝だね”と。五輪イヤーはもっと強くなりますよ。一番若く、伸び代がある。たとえば100メートル予選のスタートはホントに遅かった。1人だけピストルが鳴ってから出るというような感じで……。当然、それを改善していくだけでもタイムは縮まりますよね」

 200メートルで2位に入った小池は慶応大→ANA→住友電工と進み、昨年アジア大会の王者に輝いた。慶大時代には強化指定の枠を外れたため、すし店でアルバイトして遠征費を捻出したことがある苦労人も、

「負けちゃったって感じ。(サニブラウンは)余力があって、全体的に余裕があった」

 と総括する他なく、200メートルで3位だった桐生は、

「決勝でのメンタルという部分では去年より成長したと思うが、走りはもっと上げていかないと」

 と完全に白旗を掲げるのだった。

次ページ:精彩を欠くケンブリッジ

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。