サニブラウン「リレー侍」入り? しばらくは第2走者起用の可能性

スポーツ週刊新潮 2019年6月20日号掲載

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「もはや彼は候補どころかエースと目されています」

 と日本陸連関係者が語るのは、6月7日の全米大学選手権決勝で9秒97の日本新記録を樹立したサニブラウン・ハキーム(20)のこと。東京五輪での“日本人初100メートルファイナリスト”の夢も膨らむが、それ以上に期待が高まるのが、リオ五輪で銀メダルを獲得した“リレー侍”こと4×100メートルリレーでの活躍だ。

「7月にロンドンで行われるダイヤモンドリーグという大会で、彼を含めた新生“リレー侍”がお披露目される予定です」

 しかし、“リレー侍”の速さの秘密は、他国の追随を許さない“職人技的バトンパス”。アメリカ在住のサニブラウンが習得するのは難しいのではないか。

「いや、実は、日本の“職人技”は伝授の仕方も進化していて、今では新人もそれほど時間をかけずにマスターできるようになっているんです。そして、技そのものは既に完成の域に達しているため、これまでのように合宿などで選手を長時間拘束するより、それぞれの選手が持ちタイムを伸ばすことを優先する方針に変わっているんです」

 最終目標が東京五輪である“リレー侍”にとっては、それまでの大会は“練習試合”という感覚なんだとか。5月の世界リレー選手権も“練習”感覚で、新加入の小池祐貴(24)がバトンミスを犯したが、次のセイコーゴールデンGPではミスを修正して、当時の今季世界最高記録を叩き出している。

 さて、“エース”サニブラウンは何走を走るのか。

「習得しやすくなったとはいえ、桐生ら先輩たちの域に達するには時間が掛かります。東京五輪では、渡すだけの1走か、貰うだけのアンカーに落ち着くでしょう。ただ、しばらくは2走の可能性が高いです」

 どういうことか。

「まず、彼は大学のリレーチームで2走を担っているので慣れている。それに、2走は渡す練習と貰う練習の両方ができます。サニブラウンにも、試合で経験を積ませ、その上で、彼が1走とアンカーのどちらに適しているかを見極めようというわけです」

 バトンを落としてもドンマイ。温かい目で見守るか。