「#KuToo」石川優実さんが勤務先を突き止められ退職に追い込まれても潰れない理由

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単に物申す女性が気に食わないだけ?

 今年5月、パワハラ防止を義務付ける関連法ができた。石川さんはそこに、「職場における性差別をなくすジェンダーハラスメントについての項目も入れてほしい」という要望を出している。既にネット上で行われている#KuTooの署名は3万人に到達しようとしている(6月24日現在)。

「職場において『男だからこれをしなきゃいけない、女だからこれをしなきゃいけない』という決まりを取り締まってほしいんです。職場でジェンダーハラスメントはダメですよと言われると、きっと日常生活での意識も変わってくると思います。それが性犯罪の抑止にも繋がるのではないかと。私が考えるフェミニズムは、男女の選択肢が同じになることだと思うんですよね。それが私の目指している社会です」

 石川さんの話やネット上でのバッシングを見ていると、単に物申す女性が気に食わないだけなのではないかとも思えてくる。

 以前、私はこの連載で何度も取り上げた男性・R氏からモラハラを受ける側だった。私が彼の顔色をうかがってばかりではっきりしないので、ついモラハラをしてしまうとのことだった。だから、彼に嫌われないためにもっと強くなろう、もっと自分の意見を言えるようになろうと努めて自分の意見を言ったところ、返ってきた答えは「なんでいつも怒ってんの?」だった。

 これもR氏の認知の歪みであろう。だって、彼の彼女は「自己主張が強く、やりたくないことは絶対にやらない子」という情報を本人や共通の知人から(彼は彼女を知人に紹介しまくっていた)収集していたので、私という個人が何か意見をすることが気に食わなかっただけだ。彼にとって私に人権はなかったに等しい。

 靴の話に戻る。パンプスやヒールは履きたい人は履けばいい。私も数年前までは好みのファッションの系統が今と違ったので履いていた。でも、無理して履いていたので、足の指の関節には常にタコができていたし、小指の爪は割れていた。これが普通なのだと思い込んでいた。

 しかし、ファッションをカジュアルでスポーティーな系統に変え、靴もスニーカーか歩きやすい太いヒールのブーツにした途端、足のタコが消え去り、小指の爪も復活した。ファッションの系統を変えたきっかけはモラハラR氏に「その服装、ダサい」と言われたことであるので、この点においてはR氏に感謝すべきかもしれない。

 また、ヒールは身長が低い人にとってコンプレックスを隠すアイテムにもなる。私も背が低い方なので、高いヒールを履いていた頃は自分が大きくなった気がしていた。気分が変わることは確かだ。これを「気合が入る」と感じて仕事上必須と思う女性もいるだろう。それは別に個人の自由だ。

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