NGT誤爆事件と炎上アイドル 承認欲求が生み出すマッチポンプ
炎上アイドルたちの承認欲求が作り出すタチの悪いマッチポンプ
元AKB西野未姫もそうした時勢を見てか、炎上キャラの道を選んだ一人だ。AKB出身タレントとしては初の「しくじり先生」に出演。「ゲロ吐くほど嫌いだった握手会」などのキャッチーなワードを駆使し、ぶっちゃけキャラへ。味をしめたのか別のバラエティ出演時、頑張る共演者をディスるなど、投げやりな言動を見せて批判が殺到。でも本人は、「悪役キャラがいないと番組が盛り上がらない。全力で嫌ってくれ」、と煽っている。
そう、キャラなのだろう。番組には台本があると、今やみんな知っている。不愉快な言動をするアイドルたちも、番組や事務所の指示でいやいや演じているのかもしれない。肥大した承認欲求は、悪役にならないと満たされないほどなのかもしれない。でももし本当にそうなら、今やアイドルに必要なのは、可愛さよりも鈍感さだ。キャラや芸とはいえ、人を平気でけなせる鈍感さ。若気の至りで炎上しちゃいましたと舌を出せる鈍感さ。そういう仲間や他のアイドルを見ても、正気でいられる鈍感さ。
しかし何より、私たちも彼女たちが図に乗っていることに、いちいち反応しない鈍感さが問われているのかもしれない。女が女を叩くことが売れるための手段になり、その様子に手を叩いて喜ぶメディアや視聴者がいる以上、アイドルたちの炎上とマウンティングは終わらない。目には目を、鈍感には鈍感を。
炎上で売れた仲間への憎しみや、叩かれる側にいつ回るともしれない恐怖や不安が募ることも当然あるだろう。その時、裏アカウントで憂さ晴らししてやれ、という思考回路に繋がってもおかしくない。奥や中井、西野の所業は、回り回って加藤みたいな人間を生み出す。タチの悪いマッチポンプ。そして最悪の場合、山口が巻き込まれたような事件が起きてしまう。
承認欲求に飲まれない。それもある種の鈍感さと言うのかもしれない。しかしそれこそが、本当のアイドルのみが持ちうる健全さなのだろう。自浄作用を求めるのはまだまだ難しいかもしれないが、アイドルを取り巻く世界が健全になることを祈る。あとは加藤がネイルしながら、今回の一件は「有吉反省会」とかで今後ネタになるなー、などと思ってたりしないことを願うばかりである。
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