仮想通貨「マウントゴックス事件」で逮捕 カルプレス氏が語るゴーン容疑者との格差

国内週刊新潮 2019年5月30日掲載

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 仮想通貨をめぐっては、これまで様々な騒動が取り沙汰されてきた。なかでも2014年の「マウントゴックス事件」は、日本におけるトラブルの先がけといえるかもしれない。当時、渦中の人として注目された「フランス人社長」はどうしているのか。ジャーナリストの瀬川牧子氏が迫った。

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 事件当時、世界最大級の仮想通貨取引所を運営していたのが、マウントゴックス社(以下マウント社)だった。2014年、取引所から約85万ビットコイン(時価465億円)と約28億円の現金が消失したことで、同社は経営破綻。「ハッカーによって盗まれた可能性が高い」と会見で釈明したのが、社長のマルク・カルプレス氏(33)だった。

 ところが、翌15年8月1日に、警視庁はカルプレス氏を逮捕する。自身の口座データを改竄し、口座残高を100万ドル水増ししたという私電磁的記録不正作出・同供用の容疑である。その後、顧客の資金を着服したとして、業務上横領の容疑で再逮捕、起訴された。東京・渋谷にあった本社前に世界中から顧客が集まり、抗議の声を上げている場面をご記憶の方も多いだろう。

 フランス・ブルゴーニュ地方生まれのカルプレス氏は、一説によれば“IQ190の天才プログラマー”。3歳にして簡単なプログラミング言語を操っていたという話もある。09年に来日し、トレーディングカードの交換所だったマウント社を創業者から引き継ぎ、発展させた経歴の持ち主だ。

 長髪でふくよかな独特の風貌とともに、当時、お茶の間に強い印象を残した。事件からおよそ4年が経ち、今のカルプレス氏に、その面影はない。

「7カ月の拘置所生活で、35キロ痩せました」

 とインタビューに応じた本人は笑う。

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