「脂質異常症」の基準が欧米で大幅緩和 日本への影響は?

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取材・文/段勲(ジャーナリスト)

 体内に流れる4・6リットル(体重、60キロ計算)の血液は、命をつなぐ大事な生命線。心臓からその血液を、身体にくまなく運ぶ優れものが動脈という血管である。

 部位によっては直径3センチと太い動脈に、異変が生じると厄介な病気が発症してしまう。「脂質異常症」(2016年、厚労省の調査で206万人)がその一つである。

 かつて高脂血症の病名がついていた「脂質異常症」とは、動脈の内側に「こぶ」(血栓)ができ、血液の流れを悪くして動脈硬化を起こす病気だ。...

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