53歳2児の父「ローンもあって老後が不安」 専門家が教える定年後設計

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どれだけもらえる?

小野原先生:厚生年金部分の支給額は「報酬比例」という方法で決まるんです。その人が現役時代にもらっていた収入に比例して金額が決まりますよ、というのが言葉の意味で。収入が多い人は、その分、保険料も多く払っているので、年金もたくさんもらえるという制度です。

吉田さん:そうなんですね。その金額を具体的に知る方法ってありますか?

小野原先生:もちろんありますよ! 毎年毎年、誕生日の月に何か通知が来ていませんか? 実は「日本年金機構」というところから「ねんきん定期便」というものが届くんですが、そこに、「どのぐらいの期間、保険料を支払ったのか」という年金の加入実績とか、「今の時点で、どのぐらい年金がもらえるのか」という予想金額などを見ることができるんです。一番手っ取り早く、金額を知る方法はこれですね。ちなみに誕生日はしばらく先なんですという方もご心配なく! これ、ウェブ上で見ることもできるんですよ。それが、日本年金機構の「ねんきんネット」です。

吉田さん:ねんきんネット、ですか。

小野原先生:はい。ねんきんネットにログインするには最初にユーザIDの登録が必要になります。登録に必要なものは2つ「基礎年金番号」と「アクセスキー」です。基礎年金番号はみなさんがお持ちの年金手帳に載っていますよ。そして、アクセスキーを知る方法は3つあります。

・ねんきん定期便に記載
・年金事務所での発行
・ねんきんネットから発行依頼

 ねんきん定期便をどこに片付けたかわからない、という人は、ねんきんネットから発行依頼すれば数日すれば郵送でアクセスキーが届きますよ。

小野原先生:人によっては最初の登録手続きが多少面倒かもしれませんが、やり方はWEB上にわかりやすく掲載されていますし、登録さえできれば、自分の公的年金の試算が誰でもできるんですよ。しかも試算の方法は「かんたん試算」「質問形式で試算」「詳細な条件で試算」と3種類! 「かんたん試算」なんてボタンを1回クリックするだけです。

吉田さん:そうなんですね。やっぱり自分の公的年金の金額は知っておきたいです。

小野原先生:そうです。定年後のお金を準備するにしても、公的年金としていくらぐらいもらえそうか把握できていないと、計画の立てようがありませんよね。

小野原先生:ただ具体的な金額を確認する前に一つ言えるのは、ほとんどの人は、現役時代にもらっていたお給料の金額よりも、年金の金額は少なくなるということ。公的年金の方が現役時代の給与より多いという人は、まぁ、ほとんどいないと思います。

吉田さん:そうですよね。

小野原先生:定年後は生活を切り詰めて支出を抑えるのか、それとも少しでもゆとりを持って過ごすために自分でも準備をするのか。それは一人一人の考え方だと思いますが…、ただ、なかなか生活レベルを下げるっていうのは難しいですよね……(苦笑)

吉田さん:そうだと思います……。

小野原先生:ですので、忙しいみなさんが最低限必要なこととしては「自分の公的年金のだいたいの金額をまず把握すること」、そしてその後、「定年後の普段の生活+旅行などの余暇で必要な金額をざっくり把握すること」。この2つを把握できればその差額から、自分が準備すべき金額がわかる、というわけです。まぁ、まずは、ねんきんネットをチェックするところからやってみましょうか!

<今日の学び>
定年後のマネー計画の第一歩は、自分の公的年金を知ることから。
「ねんきんネット」で自分がもらえる公的年金の金額を試算してみよう!

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(次回は4月22日(月)更新予定です)

ファイナンシャルアカデミー
お金の教養を身につけるための総合マネースクールとして2002に創立。東京校・大阪校・ニューヨーク校・WEB受講を通じて16年間で延べ約50万人が、貯蓄や家計管理といった身近なお金から、資産運用、社会を豊かにするお金の使い方までを学習。初心者向けの定番「お金の教養講座」https://www.f-academy.jp/school/kyouyousemi.htmlや40、50代に特化した「定年後設計スクール無料体験会」https://www.f-academy.jp/school/retirement.htmlが人気。

小野原 薫(おのはら かおる)
ファイナンシャルアカデミー認定講師、ファイナンシャルプランナー、相続診断士。大手証券会社勤務時代に、一受講生としてファイナンシャルアカデミーの講座を受け、中立的な金融経済教育の必要性を強く感じ同社の講師に転身。現在は成人向けの「お金の教養講座」や「投資信託スクール」の入門講座を担当する他、高校での出張授業など若年層への金融経済教育も積極的に行なっている。明るく誰にでもわかりやすい講義が好評。

2019年4月8日掲載

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