新天皇で蘇る「女性宮家」議論 「安倍政権」心変わりの裏に“暗闘”

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「皇室の安定的な継続」を一番に考えられてきた天皇陛下。そのひとつの方策が女性宮家創設だった。しかし、これに立ちはだかってきたのは、他ならぬ安倍政権。ここへ来て女性宮家議論が甦り、首相が変節した裏側には、ある暗闘があったと噂されているのだ。

 女性宮家の議論が最も現実味を帯びたのは、2005年末の小泉政権、そして11年秋の野田政権時代だった。それぞれ、紀子妃のご懐妊、自公による政権奪取によって、その議論が前に進むことはなかった。

 それに変化が見られたのは3月18日のこと。

 菅義偉官房長官が参院予算委員会で、女性宮家の創設を含めた安定的な皇位継承について、「(新天皇が)即位された後、そんなに時間を待たないで(行なおう)と考えている」と述べ、早速検討を始めることを明かした。と同時に、「女性皇族の婚姻による皇族数の減少は先延ばしできない課題だ」と、踏み込んだ認識も示したのだった。

 安倍首相を支持する保守系団体「日本会議」の田久保忠衛会長は、少し驚いた風に、こう話す。

「悠仁さまの段階までは問題がないとしてもその先は分かりません。菅さんなりの配慮があったのかもしれないですね。もしくは、最近の報道にあるように、安倍さんと皇室の接近が影響しているのかもしれません」

 田久保氏の言う「皇室との接近」は「新元号を機に関係改善? 安倍首相の『新天皇』へのなりふり構わぬアピールぶり」で報じた内容を指す。保守派であれば接近自体は歓迎すべきはずだが、こと女性宮家に限ってはむろん憂慮すべき事柄なのだ。

 首相のブレーンで、麗澤大学の八木秀次教授は、官邸2トップの心をこう斟酌する。

「官房長官は、『安定的皇位継承』と『女性宮家創設』を切り分けて考えているのです。前者に関しては“政府が検討し、それを速やかに国会に報告する”として、後者については、“安定的皇位継承のなかの一つの考え方である”と説明しました。総理、官房長官ともに女性宮家創設には決して積極的ではないはずです。女性宮家が女系天皇容認につながることも、よく分かっているはずです」

週刊新潮 2019年4月4日号掲載

特集「さらば平成!『改元前夜』 カネと女と事件の狂騒曲」より

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