「ピエール瀧」コカイン事件で歯ぎしりの警視庁 次なる標的は“演技派女優”“大物俳優”

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きっちりクロにする

 そうしたなか、このまま瀧容疑者の俳優人生が閉ざされてしまうことを懸念する声が上がっているのも事実だ。

「僕はもともと電気グルーヴのファンで、真面目なのかふざけているのか分からない、瀧さん独特の存在感に惹かれていたんです」

 とは、「凶悪」や「孤狼の血」などの映画で瀧容疑者をスターダムに押し上げた白石和彌監督である。

「瀧さんは口癖のように“俺は別に俳優じゃないから”“選んで失敗するのはそっちだからね”と言っていました。でも、やると決めた以上は撮影にも真剣に臨んでくれた。しかも、プロの役者とは違う、唯一無二の雰囲気を持っている。替えがきかない役者だからこそ、瀧さんにはやってしまったことの重大さを厳正に受け止めてほしい。本当にバカヤローとしか言えませんし、悔しいですよ。まずは家族や関係者、なによりファンに謝り、薬物依存症を治療して人としての人生を取り戻してほしいです」

 さて、様々な業界に多大な余波をもたらし続ける今回の逮捕劇。麻薬取締部は入手ルートの割り出しを急いでおり、今後、芋づる式に有名人が摘発されるとも囁かれている。

 穏やかでないのは、ライバルに出し抜かれた格好の警視庁組対5課である。麻薬取締部と同じく薬物事件を扱う5課は、元巨人軍の清原和博を逮捕したことで脚光を浴びた。巻き返しを図る5課の次の標的について社会部記者はこう語る。

「まずは、ドラマで主演を張ることも少なくない30代の演技派女優。映画でも幅広い役柄を演じて評価が高い。さらに、大物俳優の名前も取り沙汰されています。時代劇からSF大作までこなすベテランですが、こちらは海外でドラッグに手を染めているのではないか、と」

 だが、有名人をターゲットにした捜査には特有の難しさがあるという。瀧容疑者にしても、麻薬取締部が本格的な内偵捜査を始めてから逮捕に至るまで、実に半年以上の月日を費やしている。

 捜査関係者によれば、

「有名人はセキュリティの厳しいマンションや豪邸に住んでいることが多く、交友関係も限られているので情報収集に骨が折れる。当然ながら、行動確認の苦労も並大抵ではありません。加えて、家宅捜索に踏み込んで結果が出せないと、“捜索を受けた”という情報だけが独り歩きする危険性がある。捜査する側の責任としてきっちりクロにしなければならないため、どうしても慎重になります」

 大捕物に浮かれるまもなく、捜査員の目は新たな標的を睨みつけている。

週刊新潮 2019年3月28日号掲載

特集「コカイン事件で新聞テレビが報じない『ピエール瀧』裏の裏」より

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