清水ミチコ語る「矢野顕子」648万円でピアノ売却“私が買いたかった!”

エンタメ 芸能 週刊新潮 2019年3月21日号掲載

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“世界のサカモト”坂本龍一の元妻で、「春咲小紅」や「ラーメンたべたい」などで知られる矢野顕子(64)。長きにわたって第一線を走り続けてきた彼女が、このほど愛器を売りに出した。お値段は税込648万円也。それを眺めながら臍を噛むのは……。

「売り出すのがあと1年早ければ、私が買いたかった!」

 と、タレントの清水ミチコ(59)は口惜しがる。高校1年のときに矢野を深夜テレビで見て以来のファンであり、ステージでの共演も果たした。いまでは矢野が、〈私は、いつまでも清水ミチコに真似してもらえる存在でいるために努力を続けているのよ〉とSNSに書き込むほどの仲だ。

「実は私、1年ほど前に矢野さんと同じスタインウェイを購入したばかりだったんです。だからさすがに今回は買えないでしょ? 目に毒だと思って見にも行きませんでしたよ」

 こう語る清水が足を運ばなかったのは、矢野が販売委託する「ベヒシュタイン・ジャパン」(旧ユーロピアノ)のショールーム。矢野が長年愛用した、1966年ハンブルク製のスタインウェイが展示されている。直筆サイン入りだ。おまけに、購入者には、矢野が自宅まで赴いて生演奏を行うという。

 ベヒシュタイン・ジャパン関係者によると、

「今年2月中旬に販売開始し、数多くのお申し込みがありました。3月に入って商談がまとまりつつありますので、受付終了とさせていただいております」

 時機を逸し、“入札”すらできなかった清水の話の前に、ピアノについて少々触れておく。

 スタインウェイは1853年創業で、世界のトップアーティストから音楽愛好家までに愛されるメーカー。ベーゼンドルファー、ベヒシュタインと並び、世界の三大ピアノメーカーといわれる。特に、73年までのハンブルク製スタインウェイは名器の呼び声が高い。

 さて、彼女の話に戻ろう。

「私、矢野さんがあのスタインウェイを実際に弾くのを、一度だけ聴いたことがあるんです。5、6年前、ニューヨークにあるご自宅にお邪魔したときに。まるで、矢野さんの身体の一部のようでしたね」

 そして、こうも明かす。

「矢野さんが住居を決めるときにはまず、部屋のなかでパンパンと手を打って音がどう響くかを確認するんですって。“音の響きは空間によって変わるから”と教えてもらいました。住まいの、最大の条件がピアノなんですね。ご自宅では、私も触らせてもらいましたよ。和音を適当に弾いただけですが、とても柔らかく明快な音色が鳴るのに“喋り過ぎない”。つまり鳴り過ぎず、綺麗な音が響く感触を憶えています」

 以来、清水は矢野と同じピアノに憧れを抱いていた。そして1年前、念願叶って手に入れたわけだ。

「なので、諦めますけどね。ピアノは、矢野さんが弾き込んで生き生きとしていますから、考えようによっては“安い買い物”だと思います。温度や湿度の管理をはじめ、調整といったメンテナンスもきちんとされていますし、ご本人の演奏も聴ける。一生の思い出になるでしょう」

 ちなみに、と続ける。

「矢野さんがスタインウェイを売りに出したのは、ベヒシュタインを買われたからのようです。でも、可愛がっていたピアノとのお別れをこんなふうに演出するのって本当に素敵。生演奏の場に、私も行きたい!」

 購入者宅での演奏は、矢野の意向で非公開の予定らしいけれど……。

ワイド特集「時をかけるトリックスター」より