親世代とは様変わりした就活事情 無名校卒でも逆転可能な“クローズド市場”の戦い方

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学生のやるべき5点

〈リファラルがない、OBもいない、インターンに入れない、企業との接点なんてない……無名大学の学生からはそんな愚痴も聞こえてくる。しかし、彼らにも活路はある。〉

 5年ほど前から「スカウトメディア」と呼ばれるものが生まれています。「OfferBox」などのスカウトメディアは、学生の方から自らの情報をサイトに公開するというもの。簡単に言うと、学生が自分の広告を出して企業の採用担当者に見てもらうのです。それを見た担当者が、欲しいと思った学生にメールを送り、接触が始まる。これなら、お互い会いたい人たち同士が会うことができ、無駄が省けます。

〈以上の話をまとめると、学生のやるべきことは以下の5点と言える。〉

 まず(1)細分化された採用サイトに登録する、(2)スカウトメディアに登録する、(3)インターンに参加する、(4)OB訪問をする、そして(5)今後も出てくる新しい就活チャネルにアンテナを張り巡らせ、即座に動く、です。

 最後に「人材紹介」の会社についてお話ししておきます。結婚相手仲介会社のように、無名企業と学生の間を取り持つ会社のことで、企業力はあっても採用力のない企業と、自立して活動する意欲があまりない学生にはありがたい存在です。

 しかし、この業界はまだ勃興期。きちんと学生をカウンセリングしなかったり、ブラック企業を紹介したり、辞退したら途端に怒り出したり……そんな悪徳会社もあるので注意してください。

 就活は、相手を待つだけではなく、自分から積極的に動けば成功の道は自ずと開けます。学生諸君の奮闘を祈ります。

曽和利光(そわ・としみつ)
人材研究所代表。1971年愛知県出身。京都大学教育学部教育心理学科卒。95年リクルート入社後、同社人事部ゼネラルマネージャーに。開業直後のライフネット生命の人事責任者などを経て、2011年人材研究所を設立。著書に『人事と採用のセオリー』など。

週刊新潮 2019年2月7日号掲載

特集「『学生』『親』『人事部』必読! 『ルール廃止』で激変する『就活戦線』の必勝戦略」より

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