スターバックス前会長が大統領選出馬検討で波紋 トイレに見る“経営哲学”にキズが付く?

国際

  • ブックマーク

Advertisement

トイレを開放するスタバ

 関氏が伝える対応マニュアルの存在、そして“身内”の意見から見えてくるものは、政治とスタバを結び付けてほしくない、という声である。

「従業員の福利厚生をパートタイマーにまで拡大するなど、シュルツ氏の“良い経営者”としての面はいろいろいわれます。私たち客の立場でそれを感じられるのは、トイレかもしれません。米国の飲食店の場合、トイレには鍵がかかっていて、利用する際には店員に申し出て鍵をかりるというのが一般的です。使えるのも、何か買った人だけ。ところがスタバは、シュルツ氏の教えによってトイレが開放されているんです。その時はトイレを借りるだけの客でも、次来るときにはコーヒーを飲んでいってくれるかもしれない、というわけです。“誰にでも居心地のいい空間を目指そう”というのが、スタバの理念にあるみたいです」

 つまり共和党支持者やトランプ支持の人間がスタバに入りにくくなるこの事態は、beatsのヘッドフォンを首にかけてラテをすする、あの自由なスタバの空間を脅かしかねないというわけだ。では、トランプ大統領本人は、どう考えているのだろうか。

「米国にも数多くのスタバがあるわけですが、皮肉にもマンハッタンにある“トランプタワー店”は、ニューヨークでも売上が上位の店舗なんです。実業家として相容れない部分があるトランプ大統領とシュルツ氏は、3年ほど前からいろいろと確執が取り沙汰されていました。今回の出馬を受け、“ついにトランプタワー店は撤退か”と言われているわけですが、一方、トランプ大統領は出馬表明を受けてすぐにTwitterで言及。出馬に否定的な意見を明かしつつ、“家賃を引き続き払ってくれればいい”とツイートしています」

 アメリカらしい、なんとも“オサレ”な返しである――。

週刊新潮WEB取材班

2019年2月5日掲載

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。