スターバックス前会長が大統領選出馬検討で波紋 トイレに見る“経営哲学”にキズが付く?

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対応マニュアルのお達し

 北米在住ライターの関陽子氏は、海の向こうの反応をこう伝える。

「週1回、スターバックスの従業員に会社から配信されるレター『Barista Need-To-Know』に“顧客から大統領選出馬について質問されたらどうするか”とのマニュアル対応が記されていたようです。『ハフィントン・ポスト』が伝えています。シュルツ氏の政治的意図について尋ねられたら、『ハワードの将来計画は、彼次第です』と答えるのが正解だそう。ファーストネームで氏を呼ぶことを推奨しているあたりに、いまもスタバ内で慕われていることがうかがえます」

 シュルツ氏はこの1月末にビジネス書を刊行していて、こちらは出馬表明の影響でベストセラーになっている。先のマニュアルには“スターバックスでハワードの本は売っていますか?”と聞かれたときの対応もある。正しい答えは、“書店かオンラインでお求めください”。

 先の日本の店員は「大統領選のことは話題にも出ないし、マニュアルの指示も来てないですね」というから、米国店舗だけのお達しのようだ。とはいえ、この例ひとつをとっても、大統領選出馬がスタバと切り離せない問題であることがうかがえる。

「SNSなどを覗くと、シュルツ氏の出馬に否定的な声は2つあります。ひとつは、彼が表明している“中道の独立候補”として出馬を指目指していること。民主党支持の票が割れ、結果的に共和党のトランプ大統領の再選を叶えてしまう、というわけです。もうひとつは『あなたがダメになる』『あなたらしくない』という声です。こちらは、スタバで働いている人や、昔働いていた人たちの意見ですね」(先の関氏)

 やはり元CEOへの思慕がうかがえるのだ。

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