韓国・中国だけでなく日本でも… 議員会館で「反・犬食映画」上映会が開催

社会2019年1月30日掲載

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「日本にはそぐわない」

 そして日本である。さすがに犬の屠殺場や、犬肉が売られる市場が堂々と存在するわけではない。とはいえ、上映会を主催する世界愛犬連盟によれば、犬肉を提供するレストランなどは日本国内に100軒以上存在し、犬肉輸入の検疫数量は平成28年で8トンにも上るそうだ。作中では、新宿駅前などで啓蒙活動を行う男性の姿ほか、“昭和50年くらいまでは食べていた”と証言する高齢者が紹介される。

「台湾とアメリカでは、すでに犬食禁止の法律が施行されています。日本でも2020年の五輪に向けて、こうした取り組みを進めていきたいと考えています。こういう日本国内の犬肉の現状を知らない人はけっこう多い。その啓蒙のために、今回のイベントを主催しました」

 と語るのは、冒頭で紹介した大島議員である。

「韓国でもピョンチャン五輪のとき、国際的なイメージダウンを嫌って、政府がポシンタン(犬肉スープ)屋の看板を下げさせる動きがありました。食文化を否定するわけではありませんが、犬肉は日本にはそぐわないものであると考えています。(犬食文化のある)ベトナムや中国の方たちが、これから移住者として日本に来る。そういう方たちに日本で犬を食べられては困るわけです」

 28日の1回目の上映会に参加した大島議員は、挨拶で次のように述べてもいる。

「“赤肉”と呼ばれ食べられた時代はあったものの、日本には犬食文化はなじまないものであると考えています。台湾や米国と同じように禁止の法律を作るべく、まずは国会議員に知ってもらうため、議員会館での上映会を行いました。今日だけで70~80人の国会議員に、資料を渡しています。桜田大臣への質問でいろんな叩かれ方をしましたが、まずは社会に一石を投じないと……」

 上映会の参加者はどう感じたか。

「犬肉は日本では関係ないものかと思っていたのですが、そうではないというので興味があって観に来ました。犬が可哀想どうこうはさておいて、てっきり他国の食文化を吊し上げる『ザ・コーヴ』(09年公開の反捕鯨映画)みたいな映画かと思ったんです。ところがそうじゃなくて、日本でも食べられていることが紹介されているし、中国韓国でも反対運動があることを見せている。そういう点ではフェアな作品でしたね」(30代男性)

 上映後の質疑応答では、北田監督にこんな質問も飛び出した。――なんで犬肉ばかりを問題にするの? 豚とか牛は?

「『それ言われると困っちゃう』と言ってましたね。『説明は難しい』と。ただ、ベトナム戦争を描く『プラトーン』を撮ったオリバー・ストーン監督を引き合いに出して、『“なんでベトナムなんだ? なんで第2次世界大戦や湾岸戦争じゃないんだ?”って聞くようなもの』とは言ってましたね。犬肉に興味をもったから選んだんだ、と」(同)

 鯨肉でやんや言われる日本だからこそ、考えてみたい異質な食文化の是非……なんて難しい話はさておき、興味があればぜひ一度ご鑑賞を。先述のとおり30日に上映会が行われるが、現在、海外のコンペに応募中のため劇場公開の予定はないという。北田監督いわく「有志の方による自主上映会の企画等は随時、募集しています」とのことである。

週刊新潮WEB取材班

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