テレ朝vs.日テレのドラマ戦争 日テレの秘策は“田中圭主演”で“2クール”放送

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

「科捜研の女」vs田中圭!?

 テレ朝の場合、再放送でも「相棒」を流しっぱなしにしているのはご存知の通りだ。日テレはシリーズ化のメリットを取り入れようと、まず17年5月に「帰ってきた家売るオンナ」をスペシャルドラマとして金曜ロードショーの枠で放送した。

「石橋を叩いたと言うか、満を持した形で、日テレは『家売るオンナ』のパート2として『家売るオンナの逆襲』の放送を開始しました。本作では松田翔太(33)をライバル役に据え、キャスティングを強化しています。その背景としては、近年、ドラマを見る視聴者の高齢化が進んでいることが挙げられます。彼らは新作より、なじみのある続編に安心感を得ます。更に1話完結のスタイルを好みますね。要するに、今も昔も高齢者は『水戸黄門』が大好きなんです」(前出・関係者)

 若者向けのテレビドラマを放送する場合、最も苦労するのは、視聴者が“習慣化”されていないことだという。どんなに面白いドラマでも、序盤は視聴率で苦戦する理由だ。

 これに対して、「朝の8時になればNHKを見る」という視聴者は極めて多い。「相棒」が放送される水曜の午後9時にテレ朝にチャンネルを合わせる人も同じだ。しっかりと習慣として定着している。だからテレ朝は、シリーズを作り続けるのだ。

 特に近年、テレ朝は「相棒」と「科捜研の女」という2大ドラマを、「10月から3月までの2クール放送する」という戦略で視聴率を稼いでいた。今年のテレ朝は、このスタイルを徹底化するようだ。

「『家売るオンナの逆襲』が最終回まで好調だった場合、日テレはテレ朝のシリーズものという“必殺技”を盗んだことになります。テレ朝はドラマで日テレの牙城を崩すのが基本戦略ですから、このまま黙っているわけにはいきません。そして編み出されたのが、人気ドラマを徹底して長期放送するという戦略です」(同・関係者)

 テレ朝は1月3日に「科捜研の女」の正月スペシャル版を放送したのだが、ここで「新シーズンは2019年4月から2020年3月までの1年間にわたり放送する」と発表したのだ。

 シネマトゥデイが1月3日に報じた「『科捜研の女』新シリーズは1年間放送!沢口靖子、フルマラソン挑戦のつもりで」によると、《同局のプライム帯のドラマが通年放送を行うのは、「暴れん坊将軍」(1998年11月~1999年9月)以来、20年ぶりになる》という。

「日テレ社員も、1月3日の放送で『科捜研の女』が1年間放送されると知り、寝耳に水だと慌てたそうです。ところが彼らも百戦錬磨です。負けじと“2クールドラマ”に挑戦するというのです。実のところ、俳優のスケジュールをおさえるのは、3か月でも大変なのに、6か月間ともなると至難の技なのですが、日テレはすでに主演を決め、その他のキャスティングも急ピッチで進めているそうです」(同・関係者)

 その主演は、田中圭(34)に白羽の矢が立ったという。昨年4月から6月までテレビ朝日系列で放送され人気を呼んだ『おっさんずラブ』は記憶に新しい。日テレとしては、まさに“旬の俳優”を確保したことになる。

 それにしても、昔のテレビドラマは、シリーズものが当たり前のように放送されていた。日テレ系は「太陽にほえろ!」(1972〜1986年)、テレ朝系では「西部警察」(1979〜1984年)という、石原軍団による長期ドラマを制作した過去を持つ。一種の“原点回帰”と見ることも可能だろう。

 さて今年、日テレとテレ朝が放送するシリーズドラマは、どれくらいの視聴率を獲得できるのか。

週刊新潮WEB取材班

2019年1月28日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。