「受かれば1千万円」「そんなに悪い?」 東京医大裏口をガイドした赤枝代議士の言い分

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東京医大裏口をガイドした「赤枝代議士」の言い分(1/2)

 東京医大の裏口入学に関して第三者委員会の報告書が公開され、政治家の関与が明らかとなった。名前が取り沙汰された赤枝恒雄元代議士(74)は、「毎年口利きして、受かれば1千万円」「そんなに悪いことなの?」と裏口をガイドした、その言い分を開陳する。

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 昨年、世間の耳目を大いに集めた裏口入試に関し、第三者委員会の最終報告書がまとまった。しかし、12月29日土曜日の夜にこれを大学のホームページに掲載しただけで会見せず。去る10月にも“前科”があり、第1次報告書をホームページにアップしたのみだった。沈黙を決め込んで対峙せず、逃げの姿勢を貫くのがこの大学の特徴なのかもしれない。

 一連の問題は昨年7月、文科省の次官候補最右翼だった局長が、東京地検特捜部に受託収賄容疑で逮捕・起訴されたことに端を発している。子息に東京医大の入試でゲタを履かせてもらう見返りとして、文科省から大学に助成金を支給することを決めたというのだ。この件に限らず、贈賄側の臼井正彦・東京医大理事長(当時)らは特定の受験生の得点に加算するなど便宜を図る対価として、大学への寄附金を受け取ってきた。よく聞く話ではあるものの、税金が介在したばかりに特捜部が動かざるを得なかったのだ。

 最終報告書から以下のポイントに触れていこう。

(1)2次試験の試験問題が受験生に漏れていた疑いあり。

(2)2006年から男子の受験生を優遇してきた。それ以前から、特定の受験生にゲタを履かせていた疑いあり。

(3)臼井氏は特定の受験生の親から「もし入学を許されましたら育てて頂く大学のために寄付は3千万円は用意するつもりでおります」と書かれた手紙を受け取っていた。

(4)裏口入学の依頼者は、ある国会議員に対し、受験生の氏名及び受験番号等を記載したファックスを送っており、臼井氏がそれを保管していた。その国会議員を含めて(複数の)政治家の氏名と思われる記載が、臼井氏による「リスト」にあり、政治家から受験生に関する依頼がなされたことは事実であると思われる。

 試験問題はダダ漏れ、他を出し抜くには水準以上の寄附金を求められ……。そんなこんなが明らかになっても、私立医大ってまぁこんなものでしょと受け止める人が少なくないせいか、東京医大を改めて論難する声はあまり聞こえてこなかった。とはいえ、最後の項にある大学と受験生側の間を取り持った「(複数の)政治家」とは誰なのか?が当然問われた。そして、同大学出身で同窓会の役員を務める赤枝恒雄元代議士の名が浮上し、各社がコメントを取りに走ったのだった。

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