「受かれば1千万円」「そんなに悪い?」 東京医大裏口をガイドした赤枝代議士の言い分

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「だいたい1千万」

 赤枝氏は77年、東京・六本木に産婦人科診療所を開業。若者の性感染症の予防などに取り組む一方、タレント・飯島愛のかかりつけ医を務めたとされる。代議士時代には、「仕方なく親に行けと言われ進学しても駄目で、女の子はキャバクラに行く」などと発言し、批判の矢面に立ったこともあった。

「私学と国立は違うんだよと(受けた取材で)言っているのに、ひとことも書いてくれないし、もうがっかりしちゃっているんです。私学の苦しい台所事情も訴えたのに一行も出てこないし。それがメディアのやり方なんだと思うけどね……。そもそもね、東京医大は450人の学生が血判状までしたためて創った大学だよ。関東大震災のときに焼けて何もなくなってもみんなで寄附を募って学生たちがずっと守ってきた。その関係者の遺伝子を残すために、1次試験に通った人の中から選ばれた240人をどういう順番で採るか大学に任せて欲しいってだけですよ、私が言いたいのは。(2次試験で恣意的に合格者を)選んだって何も悪くない。それで、口利きは年間どれくらいかと(記者に)聞かれ、“1年に1人か2人くらいですね”と答えたら、“20人に口利きをした”とかいうタイトルで(新聞に)出ちゃったんですよ」

 とは、赤枝氏ご当人。東京医大は1916年、日本医学専門学校(現・日本医科大)の学生が学校当局との意見対立から同盟退学し、東京医学講習所を開設したことに始まっている。そして記事は実際、朝日新聞に掲載された。

「ただ、僕も誰が受かったのか覚えてないんだ。とにかく臼井理事長の裁量で決まっていて、それは今後の裁判で出てくると思うけど。同窓会関係の人は理事長からどうも嫌われていたから、ほとんど蹴っ飛ばされてる。ぜんぜん(依頼者から)御礼の電話もないし。寄附金の相場ってのはないけどだいたい1千万(円)。“1千万は入れてくださいね。受かったら”って僕は(口利きを依頼してきた)同窓生に言ってた」

 更に、看護学科に女子学生を押し込んだのは赤枝氏で、それは彼の愛人だったからではという話が流れていることについては、

「面白すぎるけど、やめて。そこまで膨らませないでよ」

 とかぶりを振り、「政治家の複数関与」については、

「僕しかやってなかったと思うよ」

 そう否定するのだった。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年1月17日号掲載

特集「『毎年口利きして、受かれば1千万円』『そんなに悪いことなの?』 東京医大裏口をガイドした『赤枝代議士』の言い分」

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