撲滅されたはずの「梅毒」患者が2年連続5千人超え 感染源は爆買い中国人説

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 国立感染症研究所は先月28日、2018年初めから11月18日までに報告された梅毒(性病)の患者数が、6096人に上ったと発表した。年間で6千人を超えたのは1970年以来のことだ。そんな時代錯誤な印象が強い病気が何故、いまさら急増しているのだろうか?

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 性感染症の一種にもかかわらず、病状が進行すると脳が侵されて精神に変調を来し、“鼻が落ちる”ともいわれている「梅毒」。

 鼻が落ちるとは比喩ではなく、梅毒の代表的な症状のひとつに「ゴム腫」と呼ばれるものがあり、これは皮膚、筋肉、骨の組織を破壊する。ゴム腫は顔に現れることも多く、発症すると鼻が陥没したような状態になってしまうのだ。

 かつては一般的な病で、禁酒法時代のアメリカで活躍した暗黒街の顔役、アル・カポネや歌曲「魔王」などで知られる作曲家のシューベルト、哲学者のニーチェなども梅毒に侵されたといわれている。

 日本ではしばらく鳴りを潜めていた梅毒が、現在、流行している理由について、鹿児島県にある「福元クリニック」の泌尿器科医・福元和彦氏はこう指摘する。

「戦後しばらくの間、梅毒が流行し、患者の報告数は年間22万人にも上りました。その後、特効薬のペニシリンが普及したことで激減し、2010年は621人でした。ところが、データを見ると2011年から再び増え始め、この1~2年は特に多いように感じます。背景には、訪日外国人旅行者の急増があるのではないか、ともいわれています」

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