朝日新聞、CIAも見誤った「田中角栄」という政治家 “vs.エスタブリッシュメント”の確執
田中角栄生誕100年 「エスタブリッシュメントvs.成り上がり」の死闘――徳本栄一郎(2/2)
今も人気が高い田中角栄を米英はどう見たか。ジャーナリストの徳本栄一郎氏が読み解く機密文書から見えてきたものは、新潟の田舎から上京してきた小学校卒の「成り上がり」と、戦後日本に君臨した“保守本流エスタブリッシュメント”との確執である。
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拙著『田中角栄の悲劇』(光文社)で触れたが、総理に就任した田中は自分もエスタブリッシュメントに仲間入りしたと思い込んでいた節がある。「私は吉田学校の優等生」が口癖だったことからもそれが窺えるが、佐藤前総理たち保守本流は明らかにそうは思っていなかった。そして後に田中が金権体質やロッキード疑獄を追及された際も、救いの手はどこからも差し伸べられなかった。
米国もその微妙な立ち位置を察知していたようで、内閣発足直後の1972年8月、駐日大使館がワシントンに送った報告書がある。
「日本における田中の人気の高さは、時代の申し子という彼がもたらすイメージに由来している。同時に彼の性格の中の自惚(うぬぼ)れの強さと横柄さは西洋人にはすぐに見抜けるが、(日本人がそう感じにくいのは)彼の成金的経歴による所が大きい」
「問題解決の際に田中が見せる厚かましさや率直さ、利用できるものは何でも利用しようとする部分は、日本社会の伝統に反している」
「彼のやり方は颯爽として大きな成果を手にする可能性がある一方、その政権に予期せぬような結末をもたらしかねない」
だが、それとは正反対に、田中に対して限りない感謝と思慕の気持ちを抱く人間がいたのも事実だった。それは軽井沢や都会ではなく、高度成長から取り残された地方の人々で、それをひしひしと感じたのは西山町の生家近くの田中角榮記念館を訪れた時である。
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