日本はいつから“植民地”にされた!? 「カルロス・ゴーン」逮捕に見るフランスの“上から目線”気質

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西川社長は「ゴーン・チルドレン」という下剋上

「会社として断じて容認できない」「負の側面である」

 ゴーン前会長の逮捕を受けて記者会見に臨んだ西川廣人社長(65)は、前会長を痛烈に批判して見せた。だがしかし、自動車業界に詳しい経済評論家の福田俊之氏によると、

「西川社長は、ゴーンの側近を務めた志賀俊之取締役と並ぶ、ゴーン・チルドレンの一人だったと言っても過言ではありません。彼はゴーン以前の辻社長時代にも、秘書として工場閉鎖を見てきていますから、ゴーンが大リストラを断行した際にも片腕として活躍。その分、信頼が厚かったと言えます」

 つまり、今回の逮捕劇を“本能寺の変”に喩えるなら、西川社長はさしずめ、“明智光秀”。ゴーン前会長の解任によって、下剋上は成功したかに見えるが、今後、西川体制が始まるかといえば、そうとも限らないという。自動車評論家の国沢光宏氏が解説する。

「ルノーは日産に株主としての議決権を持っています。日産の役員人事はルノーが握っているわけですから、騒動を引き起こした西川社長の続投を認めるはずがありません」

 下剋上の結末は、光秀と同じ運命を辿ることになりそうだというのである。

 かつては手を差し伸べてくれた救世主。だが、ここまで搾取し続けられていたのでは、もはや“植民地”にされたと言うほかあるまい。

 経済部記者の話。

「日産はダイムラーやフォードにフラれ、倒産確実でした。99年にフランスのルノーから約6500億円の出資を受け、ゴーンを迎え入れたのですが、20年で立場が逆転。今ではルノーの純利益の半分を日産が賄うまでになっていたのです」

 その額たるや、これまでにおよそ1兆円。十分に恩を返したと思えるが、引き続き“上納金”を払わせようとするのはなぜなのか。

「一連の報道を見ていて、ゴーンやルノーは、日産やひょっとしたら、日本という国自体を植民地のように考えていたのではないかと強く思いました」

 と、評論家の徳岡孝夫氏。

「フランスは、アフリカにセネガルをはじめ植民地を数多く抱えていました。今もそれらの国の出身者が下水道の掃除などをして、美しいパリの街並みを守っています。旧宗主国として元の植民地の人間を上手く使うという感覚が残っているのではないでしょうか」

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