大阪府警の無能さを知らしめた「樋田淳也」容疑者の逃避行 “余裕”感じさせる自転車旅

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見誤っていた逃走ルート

 まず、盗んだバイクを保管していたとして樋田容疑者が最初に逮捕されたのは5月25日のこと。富田林署に勾留された彼はその後、強盗致傷、強制性交などの容疑で再逮捕され、同署に留め置かれた。

 そして8月12日、弁護士と面会室で接見した直後に逃走。すぐに樋田容疑者に似た男が自転車で北に向かう姿が防犯カメラに映っていることが分かり、また大阪府松原市にある彼の実家近くで黒い原付きバイクが盗まれ、同府の羽曳野市や大阪市でこのバイクを使ってのひったくり事件が発生した。さらに8月14日には兵庫県尼崎市の防犯カメラに樋田容疑者らしき男の姿が捉えられるなど、数々の「痕跡」が見つかったものの、府警が彼の居所を掴むことはできなかった。それもそのはずで、

「樋田逃走後、府警は彼の土地鑑があるところばかりを重点的に捜索していました。具体的には松原市周辺の大阪中南部などで、知らないところには行かないだろうと高を括(くく)っていた節がある。他府県の警察にも協力を呼びかけましたが、府警が警戒していたのはせいぜい大阪の隣県程度で、まさかそれより遠いところまで逃げているとは想定していなかった。しかも、ネットカフェやサウナや空き家といった場所を中心に調べていました」(府警担当記者)

 要は府警は、逃走ルートも逃走先も、見誤っていたわけだ。ご承知の通り、9月29日に樋田容疑者の身柄が確保されたのは、山口県周南市の道の駅「ソレーネ周南」だったのだから。

「樋田は捕まる3週間ほど前に、自転車で日本一周をしていた44歳の東浩司と四国で知り合い、以後は彼に付いていくようにして『逃走旅行』を続けていた。広島県の尾道と愛媛県の今治をつなぐ、しまなみ海道を自転車で渡っています。全くもって府警の想定外のルートでした。なお東は、声を掛けられたが、彼が樋田とは気付かなかったと供述しています」(同)

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