固定か変動か!? 黒田総裁は“牽制球”も… 「住宅ローン」金利アップへの対処法

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金利上昇は世界の常識

 黒田総裁の“金利引き上げ否定”発言について、経済ジャーナリストの福山清人氏の分析は、

「黒田総裁は、住宅ローン金利の引き上げが消費者の購買意欲を削ぎ、物価上昇を抑制すると懸念しています。それでメガバンクなどを牽制するために、否定発言をしたわけです。ですが、黒田総裁の思惑に反してメガバンクだけでなく、経営状態の思わしくない地銀なども住宅ローン金利の引き上げに追随するでしょう」

 そもそも、欧州と米国の中央銀行が利上げに踏み切ろうとしている。その潮流のなかで我が国だけが例外でいられるはずもなく、日銀がさらなる“政策転換”を行うのは必至。メガバンクは、それを見越して住宅ローン金利を引き上げたのだ。

 では、住宅ローンは固定と変動のどちらを選ぶのが賢いのか。例えば、みずほ銀行の金利を見ると変動は0・625%で、10年固定の0・90%よりも低い。メガバンクの現役行員にアドバイスを求めると、

「現時点では変動より固定金利の方が高いですが、今後、住宅ローンを組む人や、変動金利を利用している人には固定金利への借り換えをお勧めします」

 過去の例を見ると、固定金利の上昇に引きずられて変動金利も上昇する傾向があるという。

「多少の上下はあるかもしれませんが、10年、20年と長い目で見れば、変動が固定の金利を上回る可能性は極めて高い。やはり、変動より固定がお得です。注意すべきは契約期間中に完済すること。仮に10年の固定金利を利用して、契約期間中に完済していなければ11年目からはその時の金利が適用される。それが、今とは比較にならないほど高金利になっていることも考えられますからね」(同)

 超低金利時代の終わりは近い。そろそろ住宅ローンの検討を始めるべきか。

週刊新潮 2018年9月13日号掲載

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