【追悼】一時危篤で映画試写会欠席の「樹木希林」、共演「黒木華」が絶賛したカッコ良さとは

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テレビドラマを断っても働き過ぎ

「カッコいいものしか置かない」のは、この車遍歴でも分かる。それを自分で運転しているのは、マネージャーがいないからという。

「マネージャーの方が10年ほど前に亡くなったそうで、以来、ご自身で切り盛りするようになったそうなんです。事務所にも所属していないので、電話すると希林さんの声で留守電の応答があります。だから仕事も自分で交渉する。ギャラの交渉は『やってるうちに相手の気持ちが、手に取るようにわかるのが面白くなってきた』と言ってましたね。病気になってからテレビドラマは断っていて、今は映画専門。映画は1本500万~1000万円といわれています。基本的に出演は『依頼が来た順番とギャラで選ぶ』と語っていたことがあります。ギャラが高すぎると、『自分にそこまでの価値はない』と値下げを提案することもあるそうです。作品によってはタダでも出るとか……」(同)

 浮き沈みの激しい芸能界で、なかなかできる芸当ではない。だが、そのギャラも、一説によると治療費に消えているといわれている。

「年に1回、鹿児島まで粒子線治療に行くそうです。自由診療ですから保険が利かず、しかも、ひと月ほどかかるので、数百万円にもなるといわれています」

 希林は病気になってからは、「撮影が終わると台本は処分して、衣類や食器など1日1点は捨てるようにしている」と京都新聞の取材に答えている。

 それについて、娘の也哉子さん(42)は「さくさくと墓や葬儀のことを決めていく母に、心がついていかない時もあります」(朝日新聞18年9月8日付)とも語っている。

 それだけに、気がかりなのが体調なのだ。前出の映画関係者は言う。

「『日々是好日』は12月にクランクアップしましたが、希林さんは『万引き家族』(是枝裕和監督[56])の撮影にも入って今年1月まで撮影していましたから、忙しかったと思いますよ。今年4月にはご自宅で意識を失って転倒、頭をケガしてしまいました。5月にはカンヌ画国際映画祭へ飛び、とんぼ返りで、同月19日『モリのいる場所』(沖田修一監督[41])の初日舞台挨拶。7月31日には『日々是好日』の公開に先だち、献茶式を行ったのですが……」

『日々是好日』は、生き方に迷う20歳女性(黒木)が茶道との出会いをきっかけに成長していく物語である。希林は茶道の先生役だ。それゆえ、茶祖として知られる栄西禅師が開山した京都東山の建仁寺で献茶式が行われたのだ。

「希林さんも着物姿で出席されたのですが、後ろ姿から分かるほど痩せておられて。ご自身も『10キロ痩せて、7センチ縮んだ』とおっしゃっていて、夏バテかなと心配していたんです。ただ、口は達者で『自分の体を面白く見ていました。映画の先生(自身)はふっくらしている』なんておっしゃってもいたので……」(同)

 そして8月には大腿骨骨折で、一時は危篤状態にまでなったのである。

「ちょっと働き過ぎだったかもしれませんね。役者だけでなく、監督からはキャスティングの相談を受けることまであるそうですから。ゆっくり休んで、初日舞台挨拶までには元気になって欲しいです」(同)

 「日々是好日」は、10月13日公開である。

週刊新潮WEB取材班

2018年9月14日掲載

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