「チコちゃんに叱られる!」の意外な真実 NHKの人気番組は民間の制作会社が作る時代

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受信料は税金化

 NHKに32年間勤め、現在は次世代メディア研究所所長の鈴木祐司氏(60)は、

「外部の制作プロダクションを使うようになったのは、BSチャンネルができてからですよ。現在、NHKはチャンネルが、総合、Eテレ、BS1、BSプレミアムと、4チャンネルある。民放の倍の枠があるわけです。いくら巨大なNHKでも枠が多すぎますから、NHKエンタープライズなどの外郭団体を作り、そこを通じて外注できるようにしたわけです。私もNHK職員時代に、ドキュメンタリー番組を作ったときに、ディレクターの私だけがNHKで、カメラなど全て制作会社の方だったことがありますが、NHK職員と組むよりずっとやりやすかったし、いい番組になった。もちろん、その逆のパターンもあるのでしょうけどね」

 昨年(17年)12月6日、最高裁の大法廷(寺田逸郎裁判長)は、NHK受信契約の義務規定を合憲とする初の判断を示した。おかげで、テレビが自宅に存在すれば、NHKに受信料を必ず支払わなければならなくなり、受信料は実質的に税金化。NHKはお墨付きを得たおかげで徴収しやすくなり、今年度の予算は優に7000億円を超えた。

 われわれの“血税”で賄われているNHKが、自分のチャンネルで流す番組を内部で作らず外注する、という構図がどうにも釈然としないのだが……。

「心情的には分からなくはありませんけどね。だけどNHK内部で番組を制作したからといって、合理的な番組作りをできる組織かどうか……。それよりむしろ、制作プロダクションに若者を定着させるのに、NHKの番組枠は役立っているそうですよ。民放でバラエティを1年やったご褒美に、NHKで1本番組を作らせてやるから頑張れ、と。自分が撮りたい番組を作ることで再生できますし、故郷にも錦を飾れるんだそうです」(同・鈴木氏)

 民間のほうがコストには敏感であることは理解できるし、NHKが若い作り手の受け皿になっていることは良しとしよう。「では、日本一巨大なテレビ局であるNHKの職員は、番組作りを外に任せて、いったい何をやっているのか」なんて声も聞こえてくる。

 前出の制作会社関係者、そして鈴木氏も口を揃えてこう言うのだ。

「そこが根本的な問題でしょうね」

週刊新潮WEB取材班

2018年7月31日掲載

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