西日本、九州北部、鬼怒川… 近年頻発する「大雨水害」の原因は地球温暖化?

国内 社会 週刊新潮 2018年7月19日号掲載

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 悲惨な災害から「得るもの」が唯一あるとすれば、それを教訓としてその後の対策に活かすことであろう。日本列島の西半分を哀しく濡らした西日本大豪雨。ここ数年、頻発している大雨水害の原因は――。

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 7月7日、東京では時折、雲間から日差しが顔を覗かせていた。

 上空を見上げ、彦星と織姫の逢瀬に思いを馳せる。豪雨が西日本に甚大な被害をもたらしたとはいえ、所詮は他人事――なかにはそう感じていた首都の住人もいたかもしれない。しかし、テレビやSNSを通じ、篠突く雨という言葉では到底表現しきれない「数十年に1度の大雨」(気象庁)の被害を見て、とても「対岸の水事」とは思えなかった方々が過半だったに違いない。

 なぜなら、それはどこか「既視感」のある光景だったからだ。東京で暮らしていようが、地方に住んでいようが、近年、突如尋常ならざる大雨に見舞われ、「昔の日本はこうではなかった」「何かがおかしい」との思いが胸に去来した経験がある人は決して少なくないはずである――。

 5日から降り続き、死者・行方不明者が200人を超える大惨事をもたらしたこの度の豪雨は、西日本各地に降り注いだがゆえに「西日本豪雨」と呼ばれているが、現下の日本であれば、それがいつ、どこを襲っても不思議ではない。

「今回の豪雨は規模があまりに大きすぎます。被害が西日本全域にわたったわけで、ちょうど1年前の九州北部豪雨と比べても、レベルが違うと言わざるを得ません」

 と、気象予報士の森田正光氏は、まず西日本豪雨の異常性に驚く。

「九州北部豪雨では、もともと島根県の上空にあった雨雲が偏西風の影響で九州に運ばれて集まり、点であった雨雲が線状降水帯となって大雨を降らせましたが、西日本豪雨では線状降水帯が同時多発的に、いくつも発生した。いわば、雨雲が面となって襲い掛かった状態でした」(同)

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