“佐川不起訴”の女特捜部長がご栄転 函館地検トップに

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“食べ物が美味しい”

「実際、不起訴処分を出してからは、ようやく解放されたという安堵からか、異動の内示が出る前からご機嫌でした。全員不起訴となって、世間から批難の声が上がりましたが、離任するまでの間、捜査中とは打って変わって、終始にこやかでしたからね」(同)

 函館地検は、そこそこ格式が高い割に大事件が少ないため、赴任先としては人気が高いという。

「だから、今回の異動には、骨休め的な側面もあるんだと思います」

 と語るのは、北海道の司法担当記者。

「着任会見では、“函館は夏期休暇で旅行にもよく訪れていた地。食べ物が美味しく雄大な自然、歴史とロマンを感じる”と言っていました。が、過去に印象深かった事件を聞かれると、“一つを挙げることはできない”と言って、森友の“も”の字も口にしませんでした」

 事件終結時も形ばかりの会見に終始し、そして今回である。よほど後ろめたいことでもあるのかと勘繰ってしまうが、検事正ご本人に尋ねると、検察広報官を通じて、

「お答えすることはない」

 と相変らずの逃げ口上。

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は、

「検察審査会に不起訴不服の申し立てが出ている以上、事後処理の面からも、山本さんはあと半年ほど大阪に残るべきでした。事件を終わらせ、待っていましたとばかりに異動するのは、いかがなものかと思います。内閣人事局に検察庁が操られ、よい人事の代わりに財務省職員を全員不起訴にしたと国民は疑いの目を向ける。それ自体が検察の信頼失墜に繋がると言えます」

「函館の女」では、別れた相手を思い出し、「とても我慢ができなかったよ」と唄っている。山本検事正におかれては、一刻も早く森友問題から離れたくて、我慢できなかったに違いない。

週刊新潮 2018年7月12日号掲載

ワイド特集「『おっさん』の繰り言」より

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