「紀州のドン・ファン」が幼妻に募らせていた不満 ブラックカードで散財、“財産目当て”宣言も

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従業員が封を開け…

 もっとも、決定打となったのは、SさんのAV出演が発覚したことではないかという。

 会社関係者が続ける。

「Sさんの、“ナンパもの”などのAV4本は、いまもネット配信されています。でも、社長にバレる前に削除できないかと、どうやら弁護士に頼んだようなのです。東京地裁から3月にそれに関する書類が会社に送られてきた。でも、従業員がその封を開けてしまい、知るところとなった。秘密を葬り去ろうとしたつもりが、逆に裏目に出たのです。結局、社長にもAV出演が伝わり、離婚の二文字が頭から消えなくなってしまったのではないでしょうか」

 つまり、いまでは50億円とも言われる遺産の相続人になったSさんだが、実は夫の死の直前、妻の座を失い、その権利を失う寸前だったのだ。

捜査の状況は

 ともあれ、和歌山県警の捜査はどうなっているのか。

 県警詰めの記者の解説。

「県警本部の捜査1課、田辺署だけでなく、近隣の所轄からも応援が入り、大がかりな捜査態勢が組まれています。Sさんや家政婦、従業員らの事情聴取に一区切りがつき、まずは野崎さんの愛犬の検視に取りかかりました。もし、覚醒剤が検出されれば、野崎さんの死因が事故や自殺ではなく、他殺だったことの1つの証拠にはなります」

 さらに、防犯カメラの解析を進めているという。

「野崎さん宅には塀に6台、門から玄関までのコンコースに1台、裏庭に1台の計8台の防犯カメラが設置され、24時間を70日分録画できるようになっていました。その映像をもとに家の出入りを確認し、覚醒剤を混入できる人物を洗い出している。同様に、Sさんらのスマホの解析もしている。覚醒剤についての検索履歴がないか、入手ルートに繋がるような通信記録はないかなどを調べています」(同)

 また、不動産業や金融業のほかに酒類販売も手掛ける会社と自宅から押収したビールの空き瓶約2千本も覚醒剤の痕跡がないか、鑑定中だという。

「野崎さんの遺体には胃に内容物が残っていませんでした。事件当日、昼にしゃぶしゃぶを食べ、最後に口にしたのはビールでした。夕方6時ごろ、Sさんと夫婦水入らずでテーブルを囲み、外出中の家政婦さんが作り置いたうどんには手をつけず、中瓶を半分ほど空けた。それから、2階の寝室へと引き上げ、夜10時半ごろ、変わり果てた姿で発見されることになるのです」(同)

 謎が謎を呼ぶ、「紀州のドン・ファン」怪死事件。果たして、解決の糸口は見つけ出せるのだろうか。

週刊新潮 2018年6月21日号掲載

特集「22歳『幼妻』は『紀州のドン・ファン』から離婚を切り出されていた!」より

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