大学受験は「情報戦を勝ち抜くゲーム」である 狭き門になった「早慶」「MARCH」を突破する方法

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地方創生が狭き門にした「早慶」「MARCH」を突破する法(下)

 地方創生の政策に伴う都内私立大学の合格者減によって、早稲田や慶應、MARCHといった私大文系は難化の傾向にある。突破のための実践的な方法として前回取り上げたのは、大学附属校への進学だった。

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 では、附属校を選択しなかった場合は、入試にどう向き合えばいいのか。一つには、AO入試という手がある。駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一氏によれば、

「AO入試には2種類あります。一つは難関大のもので、たとえば早慶のAO入試は一般入試よりよほど大変で難しく、英語の外部試験を受けたり、圧迫面接を受けたりと、高いレベルを求められます。一方、毎月のようにAO入試を行っている大学もあり、こちらは“来てください”ということ。世間一般に“AO入試はダメだ”という話も聞きますが、難関大ではAOで入った学生が一番優秀で、入学後の伸び率も高く、ほとんど退学しません。第一志望で入ってくるので意欲も高く、入試方法が自分にピッタリだという子が受験するからです」

 早めに入試内容を確認し、自分に向いていればいいが、そうでなければ無理に狙わないのが賢明だろう。

 早大やMARCHも採用しているセンター利用入試に出願する手もある。これは大学入試センター試験の点数によって、合否が判定されるものだ。

「受験生にはセンター利用入試を積極的に活用するように指導しています。この入試の利点は昨年のデータから合格最低点が読めるということ。センターを受けてから出願できる大学もあるので、自分のセンターの点数が基準を超えていれば、安心して受験できます」

 河合塾教育情報部の富沢弘和部長はそう語る。もちろん、センター試験で各教科万遍なく高い点数をとるには、日々の努力の積み重ねが必要だが、

「第一志望に的を絞った勉強ではなく、センター利用も視野に入れられる穴のない勉強をしておかないと、あとで困ると思います」

 と言うのは中学受験塾SAPIX小学部の教育情報センター本部長、広野雅明氏だ。

「また、部活や学校行事にも一生懸命だった子は、受験のラストスパートで一番強いと聞きます。大学入試を意識しすぎるより、普段の予習復習を中心に、苦手を作らないように万遍なく勉強する。当たり前のことを当たり前にやる。それが一番大切だと思います」

 そうしていれば、もちろん一般入試に関しても、多少難化しようと心配は要らない、というわけだ。

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