「ゆりやん」「銀シャリ」クラスで1回5000円、吉本芸人のギャラ事情

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「昭和」の労働環境であるのは事実

「答えは簡単です。吉本は『R-1ぐらんぷり』など、芸人のコンクールを主催しています。他の芸人に対する賞の選考でも、桁違いの発言力を有しています。芸人として実力でトップに立ちたいと願う者ほど、吉本の政治力を必要とするのです。しかも、ギャラの安い吉本芸人は、必死で働きます。そして吉本は、いくらでも芸人に仕事を提供することができます。基本的には、たくさんの場数を踏んだほうが、芸は上達します。そういうところも、吉本芸人が吉本を見限ることのできない理由なのです」(同・プロデューサー)

 芸人の頂点を目指すためには、やはり吉本で働くしかない――こんな悲痛な決心で日々の仕事に邁進していくわけだが、やはり成功した者に吉本が優しいというのも事実のようだ。

「藤本敏史さんといった中堅クラスでも8対2、7対3です。小籔千豊さん(44)は吉本新喜劇の座長ですし、テレビのバラエティでも活躍しています。これぐらいのレベルで、やっと5対5の折半です。それより上の人となると、具体的な人名は割愛しますが、それこそ吉本に所属しながら個人事務所の設立を認めるなど、様々な配慮を行います」(同・プロデューサー)

 上には篤く、下には厳しい。完成された弱肉強食のシステムが、今後の芸人志望者にはどのように映るのか。冒頭に記した藤本敏史の告白は、昭和の時代ならあり得ないだろう。箝口令を敷かれなくても、自動的に発言は慎まれていた。徐々にではあるが、何らかの変化が起きている予感を覚える。

 お笑い芸人の世界でも「働き方改革」が叫ばれる日が来るのだろうか。今後に要注目だろう。

週刊新潮WEB取材班

2018年6月12日掲載

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