カラテカ・矢部太郎『大家さんと僕』手塚治虫文化賞受賞と「週刊新潮」連載開始で“マンガ道”を語る。

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本職のマンガ家以外は初という快挙

「手塚治虫文化賞」を、ご存じだろうか。主催は朝日新聞社。「マンガ文化の健全な発展」を目的に、毎年、優れたマンガ単行本に賞を与えている。

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 今年2018年の短編賞は『大家さんと僕』(新潮社)が選ばれた。作者はお笑いコンビ「カラテカ」の矢部太郎さん(40)だ。本職のマンガ家以外が作画した作品の受賞は初だという。

 17年10月31日に発売されると、あっという間に21万部を突破。書評でもネット書店のコメント欄でも非常に評価が高い。プロやアマを問わない絶賛だから、「当然の受賞」としても過言ではないだろう。

 作品は矢部さんの実体験がベースになっている。新宿区の外れにある木造2階建ての一軒家。2階に矢部さんが住み、1階は女性の大家さん。この関係性だけでも面白いが、作品中で「終戦の時17だった」と語る大家さんが魅力的なのだ。巻頭の「人物紹介」を引用する。

〈大家さん 東京生まれ東京育ち。矢部太郎の大家さん。とても上品な物腰で、挨拶は「ごきげんよう」。矢部との「二人暮らし」が楽しくて寿命が延びたそう。好きなものは伊勢丹とNHKと羽生結弦くん〉

 この2人が、じわじわと友情を深めていき、鹿児島へ旅行に行ったり、大家さんが入院したりするところが単行本のクライマックスだ。お読みになっておられない方は、ぜひ手に取っていただきたい。

不思議に作画と縁

 そして『大家さんと僕』は新連載も始まる。単行本になった第1期連載は「小説新潮」が舞台だったが、第2期は4月25日発売の「週刊新潮」(5月3日・10日合併号)でスタート。連載再開への意気込みや手塚治虫文化賞を受賞した喜びなどを、矢部さんにインタビューした。

――そもそも絵を描くようになったきっかけを教えてください。

矢部太郎(以下、矢部):父が絵本作家(註:やべみつのり)なので、幼い頃から身近で描くところを見ていました。「絵の具の混ぜ方」というレベルですけど、描き方を教えてくれたこともあります。本格的に絵画の勉強をしたことはありません。小学校や中学校で賞をもらったこともありません。

 それでも、多くの人に似た記憶があると思いますが、小学生の時はマンガ家に憧れて、ペンや雲形定規を買ってもらいました。高校生になると、退屈な授業中にはよく絵を描きました。この癖は今でも残っていて、打ち合わせなどの暇な時間、よく資料や台本に落書きします。とにかく描くことが好きなのは間違いないはずです。マンガを描くようになる前も、知人の芸人が使う小道具に必要な絵を描いたり、不思議に作画と縁がありました。

――ちなみに、今はどういうやり方で作画しておられるのですか?

矢部:ペンで挫折したので、今はペンタブレット(註:液晶タブレットに専用のペンで作画ができるツール)を使っています。

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