北朝鮮だけじゃない、国防の脅威はやっぱり“あの国”… 陸海空「幹部自衛官」緊急座談会
ロシアは“脅威”なのか
陸自 対立というわけじゃないですよ。私が言いたいのは、国を守る上で陸海空で認識の共有は必須だということ。ロシアは北方領土の国後島や択捉島に最新式の地対艦ミサイルを配備していますね。それは海自にとっても脅威ではないですか。
海自 その通り。ロシアは極東に新型潜水艦も配備しています。ただ実際は、これらはオホーツク海における「接近阻止戦略」のためで、主な狙いはアメリカ海軍への牽制だと思います。
陸自 ロシア陸軍はソ連崩壊後の混乱からほぼ立ち直った感がある。装備の刷新と同時に職業軍人の比率を増やし、現にウクライナ東部で高度なハイブリッド戦(軍事攻撃やサイバーテロ、情報操作などを組み合わせた戦略)を展開している。
空自 確かにウクライナ方面におけるロシア軍の活動は注目に値します。逆に言えば、あれほどの大国になると、極東だけに戦力を傾けることはできないし、ロシアにとっての「正面」はヨーロッパ、主敵はNATOだと見なすこともできる。日本への直接侵攻の可能性は低いでしょう。
陸自 それでも、温暖化の影響で北極圏の氷が融け、ロシア海軍が北極海を通過できるようになれば、シベリア鉄道に頼ってきた伝統的な戦域間移動の方法も変わります。ヨーロッパ方面の戦力を大量かつ迅速に極東方面に展開できるわけです。空自も北海道でレーダーサイトを運用していますから、ロシアの重要性はわかっているでしょうけど。
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