追悼「西城秀樹」さん 「郷ひろみ」「野口五郎」と語った貴重な“還暦鼎談”

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――鼎談もいよいよ佳境。話題は「歌」への思いや、今後の展望にも及んだ。

【郷】 今でも、こうして歌を歌っていられることは、すごく幸せなことだよね。だからこそ、これからも歌い続けなきゃいけない。

【西城】 今も昔も、歌手として歌の道を行くと決めた時から、思いは変わらないよ。

【野口】 そうそう、思いは同じ。ただ、より進化したところはあるかもしれない。当たり前だけど、人生における10代とか20代、30代っていう年代を積み重ねて僕らも60歳になった。そのタイミングでひろみのように、「これからの自分のために過去はあった」、「全てはこれから」と言えるのは、とても素敵なことだと思う。

【郷】 時に「こういう歌でいいのかな」っていう心の迷いはありました。例えば、「もう『お嫁サンバ』はいいんじゃないの?」とか、「まだ『2億4千万の瞳』でジャパーン!ってやるの?」って考えたり。だけど、50代を目前にして吹っ切れた。やっぱり僕は歌謡曲のど真ん中を歩いていく、それが郷ひろみなんだって。

【西城】 きっとそうなんだよ。これまでもこれからも、僕らが歌う必然というのは少しも変わらない。

【野口】 ある番組で自分の両親や先祖について知る機会があってね。それで自分が歌うという行為は先祖から受け継いでいる一部でもあると感じることができた。だから、それに感謝しつつ、自分の意志で歌っていながら、どこか「歌わされている」という部分もあると思うようになった。

【郷】 感謝の気持ちを持ちながら、自分が捧げなきゃいけないこと、一生懸命やるべきことって何だろうっていつも考えています。その中で様々な表現の仕方や方法、世界を見せていければいい。それが支えてくれている人たちへの恩返しだと思うから。

【西城】 歌の話からちょっと逸れちゃうけど、僕は2003年と11年に脳梗塞を発症しました。ようやく復帰を果たしたわけだけど、やっぱりファンやスタッフ、家族を含めて僕の歌を聴いてくれる人はもちろんだけど、僕の人生に関わってくれた全ての人たちに感謝したいと思うようになった。2人も健康には気をつけて欲しい。

【野口】 ありがとう。歌い続けることが3人の一生の課題だから。それを目指して、今の状態をキープするんじゃなく、進化しながら頑張っていきたいね。

【郷】 その通り。「これでいい」と思った瞬間に成長は止まる。切磋琢磨しながら更なる高みを目指して、それぞれが素晴らしい歌やパフォーマンスを披露していくことが大事だと思う。

【西城】 そうだよ、これからも頑張らなきゃ。

【郷】 今日は、改めて大きな2人の存在を実感しました。後はお互いに健康で……。

【西城】 うん、それが一番だ。

【野口】 今日は本当に楽しかった。どうもありがとう。

野口五郎
1956年2月23日生。71年5月1日、演歌『博多みれん』で歌手デビュー。その後、ポップスに転向し『青いリンゴ』『甘い生活』『私鉄沿線』など多くのヒット曲を生んだ。力強くも繊細な歌唱力でファンを魅了し続け、2月23日にはデビュー45周年記念アルバム『The birth GORO anniversary』が発売予定

郷ひろみ
1955年10月18日生。72年1月、NHK大河ドラマ『新・平家物語』での俳優デビューを経て、同年8月1日に『男の子女の子』で歌手デビュー。甘いマスクと歌声で多くの女性ファンの心をつかんだ。2015年の全国ツアー最終公演の映像を収めたライブDVD/Blu-ray『Hiromi Go Concert Tour 2015 THE GOLD』が好評発売中

西城秀樹
1955年4月13日生。72年3月25日、『恋する季節』で歌手デビュー。代表曲『YOUNG MAN』では音楽番組『ザ・ベストテン』で9999点と番組唯一の満点を獲得。2003年と11年に脳梗塞を発症するも復帰を果たし、新曲『蜃気楼』を含む還暦記念アルバム『心響 -KODOU-』が好評を博している。現在「同窓会コンサート」で全国ツアー中

週刊新潮 2016年2月25日号掲載

「特集 還暦鼎談『郷ひろみ×西城秀樹×野口五郎』僕らが兄弟だったあの時代」より

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