安藤優子、スポットライトの裏での「仕事」と「介護」両立の10年間

社会週刊新潮 2017年4月6日号掲載

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■他人事ではなかった「介護殺人」の恐怖(4)

超高齢社会における介護という重い現実(本人提供)

 普段は第三者として事件を冷静に伝えるニュースキャスターの安藤優子(58)は、

「幸いにも、多少なりとも経済的余裕があったため、母の介護にあたって民間施設などの力を借りることができましたが、違う環境だったら、私だって何をしていたか分かりません。もしかしたら、『介護殺人』に出てくる加害者のひとりになっていた可能性だって充分にあったと思います」

 とした上で、最後には要介護レベルが最高の5になった母親の、約10年に及んだ介護体験を思い起こす。

「15年に89歳で亡くなった母に認知症の症状が出始めたのは73、74歳の頃でした。急にふさぎ込むようになり、自己否定が強くなって、怒りっぽくなった。その結果、当時、母はマンションの8階に住んでいたんですが、理由もなく『ここから飛び降りてやる!』と叫ぶようになったんです。見えない何かと闘っているように映りました」

 当初は主に安藤の父親が面倒を見ていた。しかし彼が10年ほど前に亡くなると、

「本当の意味での闘いが始まりました。父の死以降、私と姉とヘルパーさんで母の介護をすることになったんですが、母は勝手にヘルパーさんを辞めさせてしまうんです。前日にヘルパーさんが来ていたはずなのに、介護した形跡がない。ケアマネージャーさんに確認すると、『昨日、お母さんがクビにされました』と」

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