年々早まる「ラン活」に保護者も悲鳴 GWには早くも人気店に長蛇の列

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 就活、婚活、妊活――と来て、今度は「ラン活」だという。「ランドセル活動」を短縮したものらしい。小学校に入学する新1年生のため、両親や祖父母らがランドセルを購入することを指す。

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 とはいえ、昔から保護者はランドセルを買ってきた。ごく当たり前の行為に「活動」という大仰な表現が使われているのはなぜだろうか。

 まずは掲載した写真を、ご覧いただきたい。撮影日は5月3日の憲法記念日。店舗前に行列ができている。人気のラーメンやスイーツが売られているわけではない。最高で8万8000円というランドセルを購入するための列だ。

 職人手作りの「工房系」ランドセルでも、トップクラスの人気を誇る中村鞄製作所(東京都足立区)の前で撮影されたものだ。1960年の創業以来、同社は常にランドセルを製造してきた。最もリーズナブルな「ベルエースパステルクラシック」で4万8000円(税込、以下同)。先に触れた8万8000円のランドセルは「馬革コードバンベーシック」と「馬革コードバンパステルクラッシック」だ。

 入学前年からランドセルを選び、購入するということに、多くの人が驚くだろう。実際、「ラン活」中の保護者も同じ感想だ。Twitterなどを見てみると、「今年はラン活が3月からスタートしている」「4月に幼稚園の年長になったら、ラン活が始まっていた」、「昨年より2か月は早まっているらしい」といった困惑や悲鳴であふれている。

 中村鞄製作所の中村徳光専務(57)は「2016年は7月末に完売しましたが、昨年は7月2日と早まりました。今年はさらに前倒しになる可能性も否定できません」と言う。

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