財務省セクハラ官僚 米「NYタイムズ」英「タイムズ」はどう伝えたか

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誹謗中傷と脅迫

 その後、数少ない告発者の例として伊藤さんのケースが紹介され、こう結ぶ。

〈安倍首相は、家庭に入った女性が職場に復帰しやすいようにし、労働力の不足に対処すると約束した。その政策は、“ウーマノミクス”と言われている。しかし、西ヨーロッパに比べると、日本の女性は政界や企業の幹部、官僚に十分に進出しているとは言い難い〉

 伊藤さんご当人によると、

「どんな職業であれ、ハラスメントや性暴力が許されることなど決してありません。告発行為がこの国でどんなことなのか想像してください。多くの誹謗中傷、脅迫を受け、この社会で生きて行くのが難しくなることさえあります。これは私自身の体験そのものです」

 告発の後、身の危険を感じ、英国に移ったという。

「非難されるべきは立場を利用してハラスメントを行なった相手であり、同時にそれを黙認してきた周囲です。告発した人が救われる社会にしていかなければ、誰も声を上げることはできないでしょう」

 女性記者が今回の告発をしてからというもの、その主を詮索する「犯人捜し」が続いている。犯人はセクハラ発言をした張本人であり、それを看過した周囲であるにもかかわらず。

週刊新潮 2018年4月26日号掲載

特集「嘘つきは財務官僚の始まり セクハラをしらばっくれた『福田次官』の寝言は寝て言え!」より

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