「福田次官」更迭を決断した安倍官邸 財務省のクーデター

政治週刊新潮 2018年4月26日号掲載

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「偽りの愛さえも本物の愛にすり替えてしまうようなこの世界では、昼を夜にすることなんて、朝飯前の出来事なんです」――。つかこうへい「蒲田行進曲」の台詞だが、そんな暗転が現実に生まれていたのが去る16日。官邸は次官更迭を決断したと産経が報じたが、財務省はこれを覆すクーデターを起こしていたのだ。(※記事内容は「週刊新潮」4月26日号掲載時のもの)

【福田財務次官 更迭へ セクハラ疑惑 後任次官を選定】――。

 産経新聞が4月16日の朝刊1面で打った見出しである。記事の内容は大要こうあった。

〈安倍首相は15日、福田次官の更迭は不可避だと判断した〉

〈麻生財務相の同意が得られれば、後任の次官人事に着手する方針だ〉

 しかし、その日午後、財務省がこの更迭報道を全面的に否定する発表を行なったのは周知の通りだ。

 産経の記事は本当に誤報だったのか。

 さる官邸関係者が打ち明ける。

「産経の報道は飛ばしなんかじゃありません。安倍さんが福田について更迭したいと考えていたのは間違いない。ただ、それに麻生さんが強硬に反対したのが実情です。首相と関係が深い産経が、『更迭』を1面で報じることができたのは、確度の高い情報を得ていたからです」

 これを裏返せば、

「安倍さんから麻生さんへのメッセージという側面もありましたね。それにもかかわらず、麻生さんが更迭に同意しなかったのは、財務省幹部が『福田次官の留任』を強く進言したからです」(同)

 財務省が官邸に匕首を突きつけた瞬間である。

 どういうことなのか。財務省担当記者の解説によると、

「GW前にも森友問題に関する一連の内部調査が終了し、近畿財務局の職員らが処分される見込みです。それで喫緊の課題は、誰がその責任を取るのかという点にある。仮にいま福田に辞められると差し出すクビがなくなってしまう。それがネックなんです。あらかた処分対象が定まって、省のトップとして福田に責任を押し付けた方が好ましいと財務省は考えている。新しい次官が無傷で始動できますからね」

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