「山辺節子」判決手記 スナックママから歌人、そして会社社長…男たちを手玉に取った“超女子力”

社会週刊新潮 2018年4月26日号掲載

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「超女子力オバサン」が拘置所で綴った「だから私は愛される」(上)

 架空の投資話で金を騙し取ったとして詐欺罪に問われた山辺節子(63)。ついに判決が言い渡されるこのタイミングで「超女子力オバサン」が本誌(「週刊新潮」)に寄せた手記には、ジェットコースターのごとき彼女の生い立ち、そして、「男性に好かれる術」が詳細に綴られていた。

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 4月19日の判決公判の約1週間前、熊本県熊本市にある京町拘置支所――。

 面会室に現れた山辺節子の容貌は、事件が世を騒がせていた当時のそれとは全く異なっていた。松田聖子風のヘアスタイルやオフショルダーのトップスなど、人々の脳裏に強烈な印象を残した若作り姿の痕跡はなく、髪の毛は真っ白で化粧気もない。ただし、その白髪をただ伸びるがままにするのではなく、三つ編みにして左側に垂らすあたりに、変わらぬ「女子力」が感じられた。

 山辺が熊本県警に出資法違反容疑で逮捕されたのは2017年4月。大企業の名前を出し、“つなぎ融資”の名目で彼女が集めた金は実に20億円以上にのぼったが、それより何より、肩や太ももを露わにした異様な若作り姿で注目されたことは前述した通りである。また、集めた金をフィリピン人のホストやタイ人の若いツバメに注ぎ込む、還暦過ぎとはとても思えないその「精力」も人々を驚かせた。

 そんな山辺の手記が手元にある。400字詰め原稿用紙177枚。逮捕後、留置場や拘置所で、自らの生い立ちから事件の背景までを詳細に綴ったその手記のタイトルは、〈砂風(さふう)〉だ。

 拘置支所の面会室で山辺はタイトルの由来についてこう述べた。

「自分の人生は何も残らない砂だった、ということから、手記を書き始める前に〈砂風〉と付けました」

 手記の中で、彼女は幼い頃から長きに亘って自分を支配してきたものをこう表現している。“生き物”。例えば、こんな具合だ。

〈幼い時から、それらの生き物はノックすることなく私の中に入って来た。いやノックしたかも知れない。しかし残念ながら気付くことはなかった。私以外の人は、この生き物の正体を知っていたと思う。なぜなら私は、友達がひとりもいなかった。それは現在まで。いつもひとりだった〉

 一体、“生き物”とは何なのか。その正体は手記の半ばで明かされることになる。ここでは、その構成通り、途中までは“生き物”の正体は不明としたまま、手記の中身を紹介していく。

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