講演会は大盛況!前川喜平・前文科省事務次官曰く「日本会議は害虫の巣」だって

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22世紀に日本はない?

 歴史を学ぶことは重要だと思います。平和を維持するために必要な学びの中でも、過去の歴史を学ぶことは非常に大事だと思います。歴史は繰り返すという言葉もあります。私はいまの状況は、1920年代から30年代にさしかかる境目みたいなところにあるような気がしてならない。下手をすると、このままなにもしないでいると、もう一度1930年代の経験をすることになりかねないと思うんです。(中略)

 日本国憲法の手本となったのはワイマール憲法です。最も先進的、最も民主的と言われた
憲法を持っていたドイツ国民が、民主政治の中からヒトラーという独裁者を生んでしまった。民主的な憲法が、全権委任法という反憲法的な法律を許してしまったということは、ドイツ国民だけの歴史ではないんです。人類が経験した歴史であって、この教訓は全ての国の国民が学ばなければならないし、特に日本人は学ぶ必要があると思います。実際、「ヒトラーの手口に学べ」と言う人もいるわけですから。

――まるで安倍首相はヒトラーになると言わんばかりである。

 そういう意味で、憲法改正に関しましては、まずは、いまの憲法を学ぶということをしないと憲法改正の議論をすべきではない。じゃあいまの若者たちが憲法を学んでいるかといったら、それが覚束ないわけです。まず憲法改正を言う前に、いまの憲法を学ぶことが大事だと思います。学ばない人たちを相手にして、「いいんじゃない」って感じで改憲をしてしまうのは無責任だと思います。それこそナチスの手口に学んだような改憲は、許すべきではない。9条に関しましては、2014年の閣議決定そのものが無効と思っていますし、いまの憲法の下で集団的自衛権を認めるなんてやってはいけないことだと思っています。(中略)

 さらに自民党の改憲草案はもっと恐ろしい。これは人権規定を公益とか公の秩序という名目でいくらでも制限できるようになっています、自営のための実力組織という自衛隊の性格を根本から変えて、アメリカと同じような軍隊を持とうということにもなっています。これは非常に危ない。いましっかりと改憲を阻む努力をしないと、22世紀、23世紀に向けてこの社会を我々の子孫に残して置くことができないのではないかと、そんな気がしている次第でございます。

――前川氏の講演はここまでだが、壇上の主催者からは前川氏にデモ参加への感謝の言葉が添えられた。国家公務員を離れ、憲法で禁じられていた政治活動を晴れてスタートさせた前川サンなのであった。

週刊新潮WEB取材班

2018年4月25日掲載

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