止めて「動脈硬化」改善例も 糖質制限の「がん」「認知症」リスク

ライフ週刊新潮 2018年4月12日号掲載

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アルツハイマーまっしぐら

 過度な糖質制限を続けると、動脈硬化や脳梗塞だけではなく、がんなどの取り返しのつかない病を招く危険性があることはすでに触れた通り。さらに、

「糖質制限は認知症のきっかけにもなり得ます」

 と、「くどうちあき脳神経外科クリニック」院長の工藤千秋氏は言う。

「脳は、寝ている間もアイドリング状態にあって、24時間休まずに働き続けており、これをデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と言います。糖質制限をしていると、無理なケトン体燃焼の影響で、脳はひどいエネルギー不足、かつ疲弊した状態で、DMNが上手く機能しなくなる。これが認知症発症の原因の1つではないかと言われています」

 また、糖質制限はアルツハイマー型認知症の発症リスクを高める可能性もあるという。『本当は怖い「糖質制限」』(祥伝社新書)の著者で「愛し野内科クリニック」院長の岡本卓氏は、

「2011年、医学誌『Archives Neurology』のオンライン版に載った論文が世界中の研究者を驚かせました。米ワシントン大学の研究者らの報告によれば、軽度のアルツハイマー病患者に、インスリンを鼻からスプレーで吸入させると、認知機能の改善が見られたというのです」

 として、こう語る。

「従来、アルツハイマー病の改善方法を示した研究結果などなかったので、これは非常に画期的だと受け止められました。現在、認知症の原因はアミロイドβだとする説に代わり、インスリンとの関連性を探る研究の方に、医学界の主流は向かっています。アルツハイマー病とは、“脳の糖尿病”のことであり、インスリンが不足したり効かなくなったりすることで発症する、という説が大いに脚光を浴びているのです」

 それと糖質制限に何の関係があるのかというと、

「インスリンには、脳内の神経系を補修したり連結を良くしたりする働きがあることが分かってきた。つまり、糖質制限によってインスリンの分泌が減れば、脳内の神経系の働きが悪くなり、ひいてはアルツハイマー病を引き起こす可能性が考えられる」(同)

 動脈硬化に心筋梗塞、脳梗塞、がん、アルツハイマー……。過度な糖質制限は健康に良いどころか、万病の元、なのだ。

特集「衝撃の新証拠第2弾 『糖質制限』の『がん』『認知症』リスク」より

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